【リペア】ピックアップの高さが調整できない不具合【楽器製作所RMI】

どうも。るいなです。

今回は『ピックアップの高さが調整できない』という不具合を修理します。

そもそも“ピックアップ”とは…

弦の振動を取る役割をするパーツです。

例えば、カラオケでは人間の声をマイクで取りますよね。

エレキベースではこの“ピックアップ”が音を取るためのマイクです。

RMI #11 – Cthulhu

エレキギター・エレキベースには、このようなマイクの役割をするパーツがあります。

今回はこの“ピックアップ”の高さが調整できないという不具合。

早速解決していきましょ!

このように、調整するためのネジを上げてもピックアップは沈んでいます。

つまり、ネジが機能していない状態。

ピックアップを外し、中の様子を確認。

画像の通りスポンジが潰れたままで、元の形状へと反発しない状態でした。

どうやら、こちらが原因のご様子。

早速取り替えます。

新しく用意したスポンジです。

今回は高反発で軽く、柔らかいタイプを採用。

【Amazon】平型 ウレタンフォーム スポンジ

このタイプのスポンジへ交換すると、ピックアップの高さ調整を気軽にできます。

ネジが硬くて回らず、ネジ山を潰してしまうトラブルも減りそうです。

取り付けました。

ネジの高さに合わせて、ピックアップが上下するようになりました。

比較するとわかりやすいですね。

こちらは数十年前に購入されたベースとのこと。

もう充分に役割を果たしたスポンジ。取り替えていい頃合いでしょう。

これにて『ピックアップの高さが調整できない不具合』は解決です。

おわり。

『ブラスナット』のメリットとデメリット【楽器製作所RMI】

どうも。るいなです。

今回は少し真面目に書きます。

つまらなかったら教えてください。ふざけます。

こちらは当工房で製作したナット。

『ナット』には弦を支える役割が与えられています。

素材は“ブラス(黄銅)”を使いました。

真鍮(しんちゅう)とも呼ばれている金属です。

http://ruinamiyashiro.jp/repair-5/

ブラスの良いところ。

綺麗な金色が特徴。

高級感のあるルックスに仕上げることができます。

特に、ゴールドパーツを使用した楽器との相性は抜群です。

ナット材として一般的な素材である牛骨。

牛骨と比べると、ブラスの方が粘り気があり、重かったです。

ブラスは、牛骨などの天然素材に比べて密度や油分を気にせず使用できる点も魅力です。

また、繊維方向を気にせず自由に造形することが可能。

『スキャロップドナット』
RMI #06 – Cetus mini に採用。

このように、デザインで遊ぶことが出来ます。

個人的には好きな素材です。

ブラスの悪いところ。

錆びやすい。黒ずみやすい。

ブラスは金属の中でも水分に弱い素材。

緑青(ろくしょう)と呼ばれる緑色のサビが特徴的です。

また、ブラスは空気に触れることで黒ずみます。

さらに、ナットは手に頻繁に触れます。

そのため、すぐにサビや黒ずみが出現します。

ちなみに、5円玉もブラス。

サビていく様子の参考までに、お財布を覗いてみてください。

【Amazon】ナット材 ブラス アコースティックギター/エレキギター/エレキベース

まとめ

金管楽器やアクセサリー、精密機器まで広く使われるブラス。

電気が通りやすく、加工がしやすい。

そして、人体への毒性が極めて少ないことも特徴です。

黒ずみやサビ、色調の変化を楽しめる方におすすめの素材。

経年変化と共に変わる表情が魅力です。

育てる楽しみのあるナット材、“ブラス”。

使い込むほど味が出てきます。

アンティークな雰囲気に仕上げるなら『ブラスナット』で決まり。

おまけ

“楽器製作所RMI”ではナット交換の前に、ナット溝の掃除を行います。

理由はナットの置く位置に凸凹があると、取り付け後にトラブルが起きやすくなるからです。

既製品をそのまま取り付けることはございません。

それぞれの楽器に合わせて“ナット”を製作しています。

[ナットの制作と交換 : ¥9,790 ~(税込)]

おわり。

8弦ソロギタリストから、アルバムが届いた。

世の中にはソロギターとか言う、難しすぎるジャンルがある。

日本国内であれば、Ichika氏が有名ではないだろうか。海外であれば、Jean Baudin氏など。

ソロギターと言っても複数のプレイスタイルがある。

今日紹介したいのはこの方。

8弦のヘッドレスギターを使い、ピアノのように伴奏とメロディを同時に奏でる器用なギタリスト『MASATooN!(マサトゥーン)』。

僕は勝手に“まさつん君”って呼んでるけど、まだ怒られていない。

いや、ギター上手くてこのルックスはずるい。男でも惚れる。

癒し系のサウンドで全国のカフェや博物館にてライブ。コンセプトは「音の魔法の旅」、まさしくその名の通り。有言実行。

また、その容姿を活かしてジェンダーレスモデル。

さらに、アクセサリーブランド“Fantasy Gallery MiniMuni”の代表もしている。

あまりに優秀で嫉妬すら許されない。

そんな彼が遂にアルバムを発表。

リリースは2023年3月12日。

しかし、もうGETしてしまった。

詳細は彼のTwitterを参照。

僕はもう届いたので早速、音の魔法の旅に出かけている。今すごく優越感に浸っている。

アルバムのタイトルは『Heal』。

8弦ギターはメタル系の楽曲に使われることが多い。

しかし、これはそのタイトルの通り癒し系。

カフェとかお店で流すBGMにぴったり。

前回の作品も重ねて持ち歩いてみた。

そして豪華な特典にもびっくり。

2曲目に収録された「誠心-Seisin-」の譜面。そして、その演奏動画。これにはギタリスト大喜び。

付属のQRコードを読み取れば、Googleドライブからデータで音源を聴くことが出来る。

CDを買わない現代の若者も欲しくなるような製品を作っている。

彼はすごいな。

丁寧な梱包。名刺などのクオリティ。商品を作ってる意識が強く感じられた。これを自らプロデュースして売ってるから本当すごい。見習わなければならない。

あと、お手紙もついていた。

こういう細かい配慮がファンに届くんだと思う。人柄の良さを感じる作品でした。

はやく彼のホームページをチェックして。

いつも声をかけてくれてありがとう。

おわり。

新ジャンルの創造『Sleep Token』の世界観を探る【⑤】

狂気と悲壮感でメタルミュージックを影から盛り上げているバンド。

Sleep Token(スリープトークン)。

出身はイギリス、ロンドン。

メンバーはデビュー当時より匿名。

常に仮面とマントで謎に包まれている。

そんな独自路線を貫く彼らが、2023年の1月に新譜をリリース。

公開は本日(2023/2/16)の朝。

このタイミングで新曲が発表されるとは予想していなかった。

オタク大興奮。

そして、なんと!

2023年5月19日にアルバムを公開するとの発表。

あまりにも楽しみすぎてこの気持ちをどこにぶつけていいのかわからなくなっている。

とりあえずブログにぶつけることにしている。

友人からの連絡にテンションが最高潮になっている事がわかると思う。

教えてくれてありがとう。

本日公開された『Vore』。

歌詞の内容からは“丸呑み(Vorarephilia)”に由来していると推測。

この曲は歌詞がとてもよかった。

『Are you in pain like I am?
Are you in pain like I am?』

「あなたは私のように痛みを感じていますか?」って意味だと思う。

ニュアンス的には「ねぇ、痛い?」みたいな問いかけなのかな。

いやこれが痛いほどにわかる。

激情を感じる曲の雰囲気とこの詩。

胸がぎゅんぎゅんになった。

友人「歌詞の中で血肉と骨がキーワードになってるから堕天とか肉体の再構築とかがテーマだと思う
VoreとかThe Summoningとか」

とのこと。さすがは帰国子女。説得力が違う。

今度は“Sleep Tokenの歌詞解読会”をして遊ぼう。

このジャケットも相まって蛇のボア(Boa)から由来しているのかと思ったが、スペルが違った。

しかし、ジャケットの絵柄はヘビの胴体やカマキリの腕が描かれている。キメラ?

友人に聞いたところ、ギリシア神話のエキドナではないかとのこと。確かに、そう思えば歌詞の内容も曲のタイトルも納得ができる。

友人「タイトルの『Vore』はその通り私を食べて(というより現在進行形で食べられてる)って歌
でも歌詞の後半ではあなたが欲しい(食べたいって感じ)って言いつつ方法はあるって言ってその後ねぇ痛い?って訊いてるから内側から逆に食べ始めてるんだろうねーって感じ 
PVもそのタイミングでお腹が裂けて血が出てる」

いや、翻訳が本当に頼りになる。

おかげで僕の音楽ライフがさらに充実している。

本当にミステリアスなバンド。

そんなとこが最高にすき。

Sleep Token 公式ホームページ

穴空きシングルカットの新モデル『#02 – Cetus』【楽器製作所RMI】

この記事は2019年7月22日に書いたものです。当時の狂ったテンションと拙い文章をお楽しみください。なんだこの恥ずかしい超長文は…

ここでお会いするのもまだ記憶に新しいですね、この度のご来場誠にありがとうございます。”Ruina”と申します。

最近は前髪が燃えたり、日焼けが酷くてお風呂で騒いだりしております。

只今より私利私欲の産物”Cetus”(ケートス)について、それはもう事細かに短編小説を書く勢いで好き勝手にオタクしていこうかと思います。いつも通りですね。よろしくをお願いしたい所存です。

今回も多大なる自慢にお付き合い頂くことになるかと思います、予めご了承下さい。お楽しみ頂ける事を切に願って。

それでは早速参りましょう、まずは全体像。

#2 - Cetus

まず最初に強引に眼玉をこじ開けてくるのはトップ材担当、バックアイバール氏。

白を多く保有したまるであの有名な海賊映画の宝の地図のような風貌。高級ベースブランドを彷彿させる陶磁器のような上品な色合い。

#2 - Cetus

もちろんただの気品漂う材ではない。

中心からハの字に伸びる髭のような穴、ネック周りに茶色が多い事からブリッジ付近にも茶色を付与した。

#2 - Cetus

加えて、両サイドから扇を広げ、なぞるようにびっしりとボディを埋め尽くす杢目、メイプル系にも匹敵する杢をも内包した大変ユニークな模様(杢の名前に詳しい方居ましたら教えてください!

#2 - Cetus

そして、この手の材にありがちな穴をレジンで埋めるやつ。ケートスは穴を埋めず、少量の樹脂を流し込み固定したのちコーティング。このボコボコは触るたびにニヤニヤと笑みをこぼすことが出来る(ニチャニチャ

続いてミドル材担当、ブビンガ。

#2 - Cetus

表から見えないのにも関わらず杢目の出たアコースティックギター用の贅沢な材をあしらった(完全に自己満足

この層があるのと無いのでは大きな違い、木材は重ねれば重ねるほどかっこいいのである(暴論

そしてお馴染みのバック材、アッシュ。

木材に関しては至って普通だが、形状に注目して頂きたい。

#2 - Cetus

ベースなどでありがちなシングルカット仕様なのだが、ご覧の通り穴が空いている。思わず眼が吸い寄せられ、うっかり眼球を埋め込みたくなるような異質な容姿、握り込んだ際には穴から親指が生えてくるのだ、かわいくて仕方がない。

#2 - Cetus

また、ご覧の通り背面も落とし込んでいる。

どこかで見た、と言う方は静かに笑みを浮かべて頷いてみて欲しい。”アレ”である。

#2 - Cetus

ボディは厚いものから削り出している為、外見より軽く感じられ、身体との接地面積が多いので非常に抱えやすい。もちろん例のジャックも採用している。

そしてこの凹み加工の延長線、ネックジョイント部も見て頂きたい。

#2 - Cetus

“太陽系と小人の帽子” と製作中に自慢したところ、みんな揃って意味がわからないそうな顔をしていた。

無用だとは思うが、念の為に説明しよう。

ボディからネックに行く過程であるネックポケット部に、ミドルでも使用したブビンガを挟んでいる、この材のラインをよく見て欲しい、帽子に見えてこないだろうか(見える(強要

#2 - Cetus

そしてその帽子の先端から伸びる潰した楕円のような形状、これが教科書などで図表として描かれている太陽系に見えた、と言うわけである。

そしてこの意味不明な造形物に巻き込まれた被害者、ネック。

ローズウッドを贅沢に削り出し、1ピースで使用。

#2 - Cetus

非常に綺麗な縦のラインを貫く柾目の材に加え、カーボンロッドを2本、ハの字に入れてある。気合い十分である。

#2 - Cetus

そして、1番のこだわりポイントを紹介しよう。眼を取り出して見てほしい。

#2 - Cetus

まるでバックアイバールによる荒廃した土地に、アッシュ・ローズウッド・ブビンガの手によって半円型のアーチ橋が現れたではないか。

ボディ背面の凹みも相まって、空中都市のようなこの造形、まさに創り出したかった理想そのものである(やったぜ

そして本個体の”軸”を担当する指板材も忘れてはいけない。

#2 - Cetus

まるで幼いシマウマような茶色い縦縞模様の毛並みを持つマッカーサーエボニー。

そう、これをピックアップにまであしらっている。まるでシマウマの兄弟が並んでいるようにも見える(強引

#2 - Cetus

1つの材から各パーツに分割し製作した為、木目の繋がった完全な一点物仕様。

#2 - Cetus

そしてこの木目、実はヘッドプレートまで繋がっている。親戚のシマウマの子供が登場したわけだ(上手いことが言えたと思っているのでシマウマが頭から離れない。

ヘッドからピックアップまで途切れる事なく繋がった木目。まるで世界三大河川の1つに加わったかのような表情を浮かべている事が伺える(擬人化するな

#2 - Cetus

カラーリングとしてだけでなく木目も統一させてみたのだが、いかがだろうか。読者の皆様も興奮で鼻息を荒くしているとなれば筆が乗ると言うものである。

そしてこだわりのヘッド、ペグの角度に注目してもらいたい。

#2 - Cetus

「三味線か?」

操作性はもちろん、このスチームパンクな円柱のボタンも相まって武器感が溢れ出ているのがもうたまらない。機械龍のようなこの佇まいによだれが垂れる。

#2 - Cetus

この円柱ペグだが、見た目的な恩恵だけでなく回した際のグリップ感、持ち運びの際のチューニングの狂いを抑える、などの効果を期待し採用したが、感想は”個人差があります”と言い切れる範疇に留まるだろう。グリップ感については非常に好みであったが結局見た目である(重要

そしてヘッド周りの特徴と言えば、ゼロフレット機構や共振防止のスポンジはもちろんのこと、実はナットもかなり希少な逸品を使用した。

#2 - Cetus

Ivoryである。象牙である。アイボリー(しつこい

数年前、とある有名な象牙彫刻家の方のお話を聞いた時の事。

講演終了後も飽きずに象牙をいじくり回す僕。いつまで経っても帰る気配のない僕。すると諭すように

「持って帰って好きなだけ削りな」

と言われ、高級印鑑の代名詞。森の真珠とも言われるあの象牙を手に入れるに至ったのである。もちろん正規輸入品。

#2 - Cetus

象牙といえば密輸などの問題もあり、ワシントン条約も介入してくるデリケートな品ではあるが、環境省によれば

“象牙のカットピース、端材、印材、製品を出品することは、特に手続き無く可能であり、個人的な利用を目的としたこれらの購入も可能です。”(引用)

との事である。つまり、個人で使って楽しむなら全然OK!って感じらしい。

ちなみにゼロフレット機構の為、弦はナットではなくゼロフレットを支点に振動する。つまりナットの干渉はわずかなもので、せっかくの希少な象牙も音響特性に全く関係ないと言えるだろう。結局ただの自己満足だったというわけだ。

だが、逆に言えば負担がゼロフレットへ向かう為、ナットは長年使えるはずだ。また、材質の特性上、経年劣化により秀美性にも磨きがかかること期待ができる。あとは自慢が出来る。

#2 - Cetus

ちなみに質感だが、繊維質を強く感じ、きめ細やか、切削も快適であった。非常に優秀な材質。柔らかい。

象牙ならではの美しい格子状の模様が大変気に入り、まさしく一点物に相応しいナットになったのではないだろうか。気になるお値段の方だが7弦ギター用ペグワンセット分だと思ってもらって差し支えない。

#2 - Cetus

『Ivory nut』(アイボリーナット…////

それにしてもいい響き…つい言いたくなるもん。特有のツヤ感はなににも変えがたい。

さて、続いては肝心な音に関してだが…その前にブリッジに関してさらっと説明しておこう。

ABMシングルサドル(ドイツ製品すき

カラーは全てブラックで統一した、今後の気分次第では混合する可能性もある。乞うご期待。

そしてここ、注目して欲しい。

#2 - Cetus

こちら、弦ゲージ .009-.042 の6弦セット、そして7弦に.062 が張られる事を想定し、弦間のピッチが均等になるよう、各ブリッジが調整され鎮座している。

低音弦での弾き心地や、コードを鳴らした際の振り抜き感などの好みの関係で標準仕様とした。なによりこの弦間を身体が覚えてしまい、これじゃなきゃダメな右腕になっているのだ。

#2 - Cetus

ちなみに僕の尊敬する”Skervesen Custom Guitars”の機構をリスペクトしているが、好みの世界である。どちらでもいい趣味の枠を超えない話に過ぎない。

ただ、ブリッジが7個も弦ゲージを考慮し並べられている様子を眺め、アイスコーヒー片手に至福のひとときに興じたいと思うのは人間の心理としてとても自然な事ではないだろうか(いや色々おかしい

さて、しつこいがまた裏側の話に戻る。

#2 - Cetus

こちら裏蓋、ギター製作者から見たら大したことないとは思う。だが、市販のギターではあまり見かけない仕様になっているので説明しよう。最高な刻印があることも忘れないでね。

#2 - Cetus

実は、裏蓋とキャビティの縁取り部分に磁石が埋め込まれている。

3点の磁力により貼り付けられているが表面に指などを引っ掛ける場所がない。

どうやって取り外すのか、その謎を解明すべく、流石にアマゾンの奥地までは向かわなくても大丈夫なので安心して欲しい。

キャビティの形状をみて察しがいい方ならもうわかるだろう。

この縁取りのない部分に力をかけるのである。

#2 - Cetus

上部以外の三方向からは下に縁取りがあるので力を加えても外れはしないが、上部の縁取りのない部分を押せば簡単に外れるのである。

わかってしまえば大した事ない内容を大層に語ってしまったが、スマートに取り外しでき、ネジで木目の流れを阻害したくないとかいう意味のわからない理由。ここはオタクフェチポイントの1つなのでご了承頂きたい。

よし!もう流石に音の話に行こう!

#2 - Cetus

ピックアップはお馴染み、

Nazgul / Sentient の仲良しペア。

コントロールは

1Vo. 3Way switch

あと、ボリュームノブを引っ張るとシングルコイル化する。

音は…まあ想像はつくだろう、楽器屋さんにたくさん置いてあるメタルなギターのイメージ、そのままである。以上。

#2 - Cetus

楽器の説明をする記事なのだが、音に関する内容が薄いのはどうなんだろうか。だがそろそろ指が痛い。あとがきに移らせてもらう。

【謝辞】

毎度、並々ならぬ協力をしてくださるGoさん(GTI: @go_drums )

#2 - Cetus gti go takigawa go_drums

(写真: GTI)

今回は指板周り・ピックアップカバー・裏蓋文字入れなどの図面作成、CNCの操作。

他にもPUのスラント化を始め、塗装のあれこれだけでなく、昼食に連れ出してくれたり銭湯に一緒に入ったり、深夜まで熱く語り合ったり…多大なる技術指導をしてくださいました。

お世話になりました、これからもご迷惑お掛けしますよろしくお願いします。

#2 - Cetus gti go takigawa go_drums

(写真: GTI)

〜あとがき〜

いやいや、今回も長文過ぎた…ここまで読んで下さってる方、相当な時間を頂戴してしまいました。お楽しみ頂けていると幸いです。

実は“Cetus” は自分への誕生日祝いというこじつけもあり、これ以上ないくらい廃課金な仕様にしました。

#2 - Cetus gti go takigawa go_drums

(写真: GTI)

ちなみに名前の由来ですが、シングルカット部がクジラの頭に見えることから、それに関するものを探していたところ”Cetus”と言う表現がありまして。

どうやら鯨座というトレミーの48星座の中の1つのようです。前作である”Cocytus”を派生させるコンセプトで固めていた為、名前もシリーズっぽくてかわいいので採用しました。

また”海獣”という意味もあるらしく、まさしくこれだ!とはしゃいで命名してみました、いかがでしょうか。クジラを連想してもらえていたら幸いです。

毎度ですが、読者の皆様からの質問・意見・アドバイスなど何かしらで反応頂けたらもう飛んで喜びます。よろしくお願い致します。

それでは今回もお付き合い頂き誠に有難うございました。

これからも”Ruina Miyashiro”の活動をお楽しみくださいませ。

それではまたお会いしましょう。

【Spec】

Model: Cetus 

string: 7

Scale: 25.5-26.5

1Vo. 3way switch coil split

・Body 

Top: Buckeye burl

Middle: Bubinga

Back: Ash

・Neck

stainless 0fret / 24fret

Rose wood 1peace neck

Macassar ebony fingerboard 

・Head 

Macassar ebony top plate

・Hardware  (Black)

ABM Single saddle 

Hipshot tuners

・Pickup

Seymour Duncan Nazugl / Sentient 

Macassar ebony cover

Nut: Ivory

: 新しい項目が追加されました。

『New model : Cetus (ケートス)』

ギターをつくることが仕事になった話『#01 – Cocytus』【楽器製作所RMI】

この記事は2019年の夏に書いたものです。
当時の狂ったテンションと拙い文章をお楽しみください。
読み返してたけど、あまりにも恥ずかしいな。

どうやら最近の僕はギターを作ることに関心があるようでして………

というのも数ヶ月前のある日

「ギター製作の依頼は受け付けていますか?」

と、なんの前触れもなくギターオーダーのお問い合わせがありました。

学生時代、卒業制作で一本作った程度の知識しかないことに加え、自宅に工具があるわけでもなかったので

「まかしとき!わしが最高のマシン作ったるわ!」

などとお返事する訳にもいかなかったはずなのですが、なぜか翌日は早朝に起床、寝癖も直さず血走った眼で音楽をかけ、頭を振りながら”OK”の返事を打ち込む僕の姿がありました。

彼の証言によると、

「話をもらえた事が嬉しくてたまらなかった」

などと供述し、全力で楽しんで製作出来たそうです。

こうして2つ返事で了承が出来たのも人脈に恵まれたことに喜ぶばかり。

ギター工房を運営している頼れる先輩方に協力してもらえば作れるかも…

という考えのもと、ご依頼を受ける事にした次第です。

具体的にはピックアップカバーの製作、工房レンタル、その他技術指導や機材オタクトーク等々の協力をして頂きました。

お陰様で無事完成。

さて、メインディッシュでもあるこちらの個体。僕が仕様について全く触れなかったことにお気づきでしょうか(らしくない

だが!しかし!写真をチラッと見せびらかした程度で満足し、次回の告知もなく締めくくれるようなオタクではないことは周知の事実(欲深い

なので、次回は僕の製作しているギターの詳細を中心にそれはもう事細かに短編小説2冊分くらいは書き綴ります(やめてほしい

今回は東京都に工房を構えるGTIさんをお借りしました。

そして、滋賀県に城を構える962Wood Worksさんにも出撃したのもつい最近の話。

2回行って2回とも火災報知器が誤作動する、楽し過ぎるインドカレー屋さんにまた会いたくなってます。

(撮影・場所: GTI工房)

こう見えてもまだまだ書き足りないのですが、そろそろタイピングし過ぎて親指が痛いのでまとめに移ります。

これまで通り元気にギター演奏、写真撮影 、フィンガーランプ・ピックガード製作、ご飯のお誘いも受け付けていこうと思いますよろしくお願いします。

DMにて気軽にお声掛けください!

最後に、ここまで読み進められた只ならぬ精神力の持ち主の方々には暑い夏も乗り越えられるであろう確信と敬意を表し、”夏を統べるもの” の称号を贈らせて頂きます(意味わからん(うるさい(よく言われる

また、何かしらSNS等で反応頂けると僕が嬉しくなります。是非仲良くしてください。

それではここまでお付き合い頂きありがとうございました。

今後とも是非“Ruina Miyashiro”の活動をお楽しみください。

おわり。

協力・謝辞(敬称略)

・工房レンタル / 技術指導

GTI(@go_drums )

長時間の利用にも心地よく対応してくださりありがとうございました。終始勉強になりました。近未来感溢れる塗装に圧巻です。

・ピックアップカバー製作 / 技術指導

962Wood Works (@962ww )

いつも信頼できる丁寧な仕事のマンゴーカラーに安心してます。これからも魅惑の曲線と繊細なウッドワーキングを楽しみにしてます。

今後も御二方には相変わらずご迷惑お掛けすると思います、よろしくお願いします。

高校生の僕がはじめてギターをつくったときの話。『#00 – Fafnir』【楽器製作所RMI】

いつからだろう。

ギターを弾くだけでは満足できなくなったのは。

ということで、つくった。

実は僕の通う工業高校には、木を加工する科目があった。

高校2年生だったと思う。

「卒業までにギターでもつくろかなあ」

ふんわりと決意した。

気が付いたら木材を買っていた。

思いついたらすぐに行動しちゃうクセ、早く治らんかなぁ。

そしてなんとか、高校3年生のときに完成させた。

卒業制作として提出した。いい思い出。

きったねぇ作業着。

当時は周囲にギター製作なんて、教えてくれる人も居なかった。

日々、Instagramでリサーチ。

ただ唯一、仲のいい先生がいた。

先生が職員室にいることを確認。工具を貸して欲しいと呼び出した。マジで身勝手。

そして強引に工具を借りた。

その後、ちょこちょこ怪我をしながらも先生の力を借りながら完成させた。

まあ、でも売れるクオリティではない。

しかし、弾けるギターではある。

こうして、無理すればギターもつくれる確信を得た。

その数年後、この『Fafnir(ファフニール)』というモデルを完成させ納品した。

以下の写真は製品版。

RMI #03 – Fafnir

今回の『#00 – Fafnir』に改良を加えた完成版。

今では当時の自分を褒めてやりたい。

ミスもたくさんしたけど、よく諦めずに最後まで仕上げたな、って。

さて。目頭が熱くなってきたところで本題。

ここからは今回の作品“Fafnir”というモデルの成り立ちを深掘りする。

完全に自己満足を強要することになる。

覚悟して閲覧してほしい。

それでは、いってらっしゃいませ。

デザインはオタクギターの始まりとも言われている“Blackmachine”というブランドより影響を受けている。

そう。いわゆる“BM系”というタイプ。

BM系で有名なメーカーはSkervesen Raptorや、Aviator Predatorなど。
今ではメタル系のギターとしては王道のデザインとして確立している。
ちなみに、本家ブラックマシンは200万円以上の値段が付けられる個体もある。もはや伝説の楽器。

この形状を産み出したダグさんには、どのギターブランドも頭が上がらない。なぜなら彼は『始祖のオタク』。僕は勝手にそう呼んでいる。

ヘッドのデザインも同じくBM系に似せている。

ただし、かなり極端に凹凸をつけた。

理由は強度の実験をするため。

本来は弦を支えるため、強度が必要なヘッド。

どこまで細いデザインが可能か、試験をしてみた。

結果としては、この細さだと少し反る。

弦の引っ張る力に負けて、ヘッドの木材が時間の経過で歪むのだ。

これでギターのヘッドに必要な強度がわかった。

次の作品ではもっと太めにしようと決意した。

ボディの表面はウォルナット。

触り心地のいい木材。これをオイルフィニッシュ。

オイルで塗るだけの、簡易的な木材の保護方法。

しかし、これはあまり好みではなかった。

以降はウレタンという、自動車に使われる塗料を使用することを決意。

ネックはマホガニー。

アコースティックギターなどでは多用される木材。

しかし、これもエレキギターには向かないと感じた。

なぜならアコギよりもネックが長いから。

つまり、木材が反る。

そして、反った時の不具合が顕著なのだ。

以降のネック材は強靭な木材を使用すること。

そして、カーボンロッドという補強材を入れることを決意した。

ボディサイドの形状は“Skervesen Raptor”を参考にした。弾いていて痛くないように45度で削り落とした。

これは正解だった。以降のファフニール全てに採用している。

あとはシールドを差し込む、ジャックの位置がいいよね。

ケーブルを刺したまま地面に置けないので、結果的に膝に乗せる機会が増える。つまり練習時間が長くなる。めちゃくちゃいいアイディアだと思う。

いや、多分そんな意図はないと思う。でも勝手にそう解釈して練習時間が増えるなら吉。

練習はすればするほどいい。

バック材はオーク。

個人的にめちゃくちゃ好きな木材。

家具にも使われているし、かなり優秀。ちょっと重いけどね。そこがまた良い。

ブリッジはハネスが至高。

BM系はボディが薄く、音質が安っぽくなりやすい。

なので、この樹脂製のサドルを採用したブリッジを搭載することが多い。

金属よりも振動を吸収してくれるのか、高音域が抑えられる。

耳に痛くない、マイルドな音になる。そんな気がする。

あと単純にブリッジの面積が多いから演奏中に手を固定しやすい。

ブリッジミュートの多いメタル系の音楽で重宝するサイズ。

ちなみに、これを書いているのは2023年2月12日。

実は『#00 – Fafnir』の完成から5年ほど経過している。

懐かしい。今見ると本当に恥ずかしいミスばかり。

でもいい記念になった。

最後に被写体しながら寝ている姿でも貼っておくか。

おわり。

【謝辞】

工具の使い方を教えてくれたN先生。

職員室で仕事してるのに呼び出してごめんなさい。

そしてわがままに付き合ってくださり、ありがとうございます。

あと、早く僕に木工場ください。

オーダーしていたSkervesen のギターが完成したので徹底的に解説する。

この記事は2017年6月15日に書いたものです。
当時の狂ったテンションと拙い文章をお楽しみください。

はじめまして、るいなです。

今回は、僕が片時も忘れられず、日常生活に支障をきたすレベルで好き過ぎているポーランドのギターメーカー

“Skervesen Custom Guitars”

その中でも、愛用している “Swan7″というモデルについて誠に僭越ながら、好き勝手に書いてみようと思う。ちなみに日本では『スケルヴェセン』と表記されている。

全体像はこんな感じ。

まず、個性が強過ぎるこのグロテスクなトップ材、こいつはバックアイバール。気持ち悪い(褒めてる

木の根っこの瘤で、白・黒・茶色などをぐっちゃぐちゃに混ぜたような色合い。病気やバクテリア、傷が修復した際の模様では?ということだが、明確な発生条件はまだはっきりしないらしい。

僕は廃墟や古代遺跡、大自然の神々しさを感じ、魅了された。 

最近影響されまくっているゲームがある。アンドロイドが廃墟探索や機械生命体なるものと戦闘をする、という内容。この木材は、そのゲームの舞台である廃墟や荒廃した雰囲気によく似合うと思った。ちなみに僕の厨二病を再発させた原因でもある。罪深い。 BGM最高。

また、廃墟で神々を喰らう某狩ゲームも随分前から好きで、今も稀にプレイする。登場する神々が非常に気色悪く、気持ち悪いが、そのグロテスクな見た目がまたこの木材に似ていると感じた。こちらのゲームのBGMもまた至高である。

このバックアイバールという木材。加工される前はスポンジみたいで軽く、スカスカらしい。その見た目の異質さから、トップ材として使用されることが多い。

加工する際に独特の匂いもすると聞いたことがある。くさそう…

バックアイバールは個体差がトンデモなく激しいので、オーダーする際は気をつけてほしい。

ボディ表面は2Dアーチドトップというらしい。

この緩いカーブにより、演奏性も抜群である。

次に中間層の茶色いの。名前は”ブビンガ”

「熱帯アフリカに生息してるんだって!」(種類が多過ぎてわかんない…

音響特性は明瞭な中低域。和太鼓の胴にも使用されるとか…

見た目はボディシェイプをなぞる素晴らしい曲線美を魅せ、ギター全体のバランスを引き締めてる感じ。特徴的なベベルドカットは眺めているだけでご飯が食べられる。ルックス面でも音響面でもなくてはならない存在。

今はワシントン条約で輸出入が規制されているとか。

そしてバック材

僕の大好きな激しい音楽では大人気のスワンプアッシュ!ザ・ウッド!みたいなはっきりとした木目が特徴。

音響特性は高域に優れ、7弦をバリンバリン鳴らしてくれてるみたい。

あと、このジャックの位置も特徴的。立って演奏する際もシールドをしっかり固定できる。スマートでかっこいい。

ネックはローズウッドとウェンジの5P。

 ローズウッドはビックリするほど赤茶色でメラメラしてる。ココボロかと思った焦った。

塗膜は薄く、サテンフィニッシュなので木の良さがより味わえる。演奏性も抜群。 色気のある妖艶な雰囲気が最高。

そしてローズウッドに挟まれているのがウェンジ。茶色と黒のコントラストは舐めたくなるよね(共感を求めるな

とっても硬いらしく、音も明瞭で硬質。

わかりにくいネックの形状だが、実は左右非対称である。1弦側が厚く、7弦側が薄く仕上げられている。これは僕の浅い音楽経験の中で最も理想形だった。ネックの頂点もやや高音弦側にあり、ハイフレットに向けて緩やかになっている。改めてメーカーの加工精度と愛情の深さに驚いた。

これはメーカーの中でも個体差があるようで、写真で見ただけでも色々な形状のものがあった。

チューニングについては、日本上陸から1ヶ月程かけ、少しずつ木材が安定してきた。現在まで、ネックは一度も調整していない。最高のセッティングをキープしている。

指板はバーズアイメイプル! 水疱瘡みたい…これも明確な発生理由はわからないんだって。特定のメイプル材の極少数の個体からのみ現れるこれまた希少な材とのこと。

幸せを呼ぶらしいが、この材自体が”幸せ”そのものである。歓喜である(キャッキャキャッキャ

そんな理由から、英国エ◯ザベス女王の皇室の内装もこの材が使用されているとのこと。

指板にはSkervesen の”S”をぶちまけ散らした。

メーカー愛が強過ぎる。

これはみんな大好きアバロン貝を使用。メーカーお得意の樹脂系も近代科学の真骨頂!みたいで捨てがたいが、トップ材が”樹海の秘宝”みたいなのでこちらは”大海の宝石”という大自然をコンセプトにしている(無駄に壮大な話にするな

サイドインレイも大人気ルミンレイ。

担当のMaciek

「ブルーは光量が少なく短命なんじゃぁ…」

との事でグリーンを使用。光らせるのが楽しくて時を忘れる。

そしてサウンドとプレイアビリティ、加えてルックス。僕の理想とする条件を全て満たす“ファンドフレット”(25.5-26.5の緩やかな扇状を採用)

これは、主に7弦などの低音弦が本来与えられるべき張力で鳴らされ、 音程感を向上させるのが目的。人間の四肢の動作に対しても扇状フレットは非常に理にかなっていると思う。

僕「人間工学いいわぁ…」

と、よく知ったかぶりをしている。

”Re:ゼロから始まるステンレスフレット生活”

言いたかっただけ。

0フレットというナットの役割をするものが打ち込んである。これにより1フレットから弦高が低い。すごい。快適極まりない。錆びにくく耐久性にも優れているので常にピカピカ。快適極まりない(しつこい

最近は巷でマフラーのように可愛らしく装着されているミュートラップ。実はこの共振を抑える役割のものが既にヘッドに搭載されているのである…素敵…///

ちなみに僕は 「木材を隠したくない」 というだけの安易な考えでミュートラップは外付け装着出来ないのである。

ブリッジはABMのシングルサドルを採用。ここで画像をよく見て頂きたい。太い弦に行くにつれてサドルの間隔が段々と開いているのがお分かり頂けるだろうか。

弦の太さを考慮し”弦間のピッチ”が均等になるよう、計算されているのである。神である。

続いてコントロール。

ボリューム・セレクター・コイルタップ。

“World Domination Mod”という電池要らずでアコースティックなサウンドを鳴らせる、このメーカー独自開発の配列も存在する。非常に魅力的ではあるが、この個体には搭載しなかった。2機目をオーダーする際は搭載を考えている。

ピックアップはこだわった。全部こだわったけど。

そう、スラントしているのだ(ビシッ

先ほど説明した扇状フレットにより、指板やブリッジも傾いている。便乗して斜めにしちゃえいっ!という事である。

リアはBare Knuckle Pickups のNailbomb

「ジュゴァアアア!」って感じ……よくわからん

狂気を感じた。最高。好き。

フロントも同じくベアナックル、VHIIを搭載。シングルコイルでリアとミックスにすると面白い。スラップがやめられない。できないけど。

そして見た目に関してだが、

メーカー担当者「木材ボビンはいらんかね〜」

僕「はい全部ください!」

とまあ、こんな感じで木材ボビンの公開から狂気じみた速さでスペック変更を連絡。いいカモである。木材は指板と同じバーズアイメイプルを使用。ここを統一することで、混沌すら感じるトップ材を程よく緩和出来ると思った。

メーカー担当者さんと意見交換、話し合いをしていると、合作をしているようでとても楽しかった。

ボディシェイプについては、このメーカーの中でも特に曲線が魅力的なモデルであると思っている。

流線型のシェイプは、ローフレットが近く感じ、バッキングや低音弦のリフ、立って演奏する際に非常に快適な状態で演奏出来る。かと言ってハイフレット側にストレスがあるわけでもない。ここでもまたファンドフレットの恩恵を感じた。崇拝してる

ただ僕の場合、立って演奏する際は高い位置で構え、座っている時はクラッシックスタイル(左脚に乗せるタイプ)で演奏するので、そのフォームにマッチしているだけかもしれない…

他にもコンター加工やフレットの処理など、至る所に尽くされた演奏者への思いやりは、精巧な加工精度で製作する少数先鋭のメーカーならではのクオリティだと思った。

ヘッドもボディと同じSwanシェイプ。

リバースヘッドの攻撃的なルックスに細く繊細、かつ優雅な雰囲気をも兼ね備えてたもっとも好みな形状だった。強度的にも弦の下をしっかりと通り問題のない細さ。、美しさとは強度などが全てバランスよく加味されてはじめて成り立つものなのか…と改めて認識した。

ハードウェアはブリッジ・ペグ・ノブの全てが、ゴールドとブラックを混合して搭載している。ブラックで引き締める事により、落ち着きのある上品さを感じることができる(ここ重要(ワガママ言った(対応してくれたボグミル氏本当ありがとう。

これにより”廃墟に佇む古代兵器”のような雰囲気を身に纏いながら”中世ヨーロッパの貴族”のような気品をも感じさせる、

「僕の考えた最強のギター!」

が完成した。納期なんかどうでもよくなった。それくらい凝った。

完全に廃課金プレイヤーである。

ゴールドのハードウェアや、木材の音質・見た目は、弾けば弾くほど荒廃した雰囲気が増し、廃墟が似合うギターに育つだろう。将来有望。何を目指しているのか……

〜Tumblrに投稿した理由について〜

実は2017年6月15日。

このSwanにお世話になって1周年記念である(おめでとう(ありがとう(これからも仲良くしてね

日本では”スケベ”なんてトンデモナイ愛称で親しまれているSkervesen Custom Guitars さんへ

『スケベ!これからも僕のトレードマークとして愛用してくぜっ!また演奏動画も投稿するよ!ありがとうスケベ、ありがとう!!』

んぁ、日本語で大丈夫かな…

それより、最後まで読めた強靭なメンタルの持ち主が居たとしたらTwitterのリプライとかで報告して欲しい、そんなレベルの長文になってしまった…

そんな最後まで読んでくれた猛者の方々へ、絶大な感謝を込めて一言。

「 ス ケ ベ を す こ れ 」

新ジャンルの創造『Sleep Token』の世界観を探る【まとめ】

圧倒的な世界観でメタルミュージックを盛り上げているバンド。

Sleep Token(スリープトークン)。

公式Twitterより

出身はイギリス、ロンドン。

メンバーはデビュー当初から匿名。

常に仮面とマントで謎に包まれている。

そんな独創的な世界観を構築する彼らが、今年話題となっている。

デビューは2016年。

シングルの『one』にて、3曲発表。

どれも詩が強調された、ミドルテンポの作品。

一言で表すならば“メタルのバラード”。

続いて2017年に『Two』を発表。

こちらはデビュー作の『one』に比べ、さらにテンポが落ちる。

だが安心してほしい。

落ち着いているのは前半まで。

上記の“Nazareth”では3:20〜が本番。

鍵盤の神聖なアルペジオを背景に、重いメタルサウンドが鳴る。

我々オタクが安心する、最高の構成。

翌年2018年にはシングルを3曲リリース。

特に『Jaws』は泣けた。

とにかく泣ける。ドラムのフレーズもかっこいいし何より泣ける。

ライブ映像もある。

ベースの動きがかわいいので見てほしい。

そして2019年に待望のアルバムがリリースされた。

アルバムのタイトルは『Sundowning』。

最高の曲が寄せ集められた代表作。

その中でも『The Offering』は至高。

日本語なら“供え物”と解釈するのだろうか。

1曲目の『The Night Does Not Belong To God』からの流れで早くも世界観が完成する。

おすすめは他にもある。

7曲目に編成された『Give』。

これには何回救われたことか。

穏やかなのに意志の強い曲。

そして12曲目の『Blood Spot』。

これはバラード。

“Vessel”と呼ばれるリードシンガー兼ソングライターがアルバムのラストを飾る。

聴いてほしいのは最後。

微かに泣き声が混じっている。

目頭が熱くなるのを共感したい。

ちなみに、YouTubeバージョンは最後まで鍵盤の弾き語り。

『This Place Will Become Your Tomb』

これが2021年に公開されたアルバム。

深海をイメージしたのだろうか、ジャケットの絵柄の印象通りダークな曲が多い。

重いメタルコアが好きなみんなにはきっと気に入ってもらえると思う。

特に8曲目の『Descending』。

これを聴きながら風呂に沈むのが最近の流行。

真っ暗な深海に落ちていく感覚がたまらない。

好きすぎて去年1番聴いた。

そして2023年には新譜を5曲、連続で公開。

狂気を感じるパフォーマンス。

ライブでも音源に忠実なクオリティ。

ハマると抜け出せない世界観は唯一無二。

海外のレーベルである“Basick Records”も『単に音楽を書いて演奏するだけのバンドではない』とコメントを残している。

公式Twitterより

公演はドイツ、スペイン、オーストラリア、ポーランドなど。

残念ながら、日本に来る予定はまだない。

メタルシーン問わず注目の集まるバンド『Sleep Token』。

日本人にも、もっと認知されてほしい。

観たくないか?

ライブでは基本話さない。インタビューは過去に一回のみ。

とにかく作り込み方が桁違い。

謎すぎるこのバンドを。

最後に。

ここまで読み進めたあなたにひとつお願いがある。

それはおすすめのバンドを聞かれたら元気よく「Sleep Token!!!」を叫ぶこと。

みんなに広めてほしい。

そして日本に呼ぼう。

拡散を期待をしている。

Sleep Token 公式ホームページ

【Amazon】スリープ・トークン Take Me Back to Eden: Vinyl 2LP [12 inch Analog]

新ジャンルの創造『Sleep Token』の世界観を探る【④】

狂気と悲壮感でメタルミュージックを影から盛り上げているバンド。

Sleep Token(スリープトークン)。

出身はイギリス、ロンドン。

メンバーはデビュー当時より匿名。

常に仮面とマントで謎に包まれている。

そんな独自路線を貫く彼らが、2023年の1月に新譜をリリース。

1月20日に公開されたのは『Aqua Regia』。

日本語では“王水”と解釈していいはず。

王水は強力な酸性の液体で、ほとんどの金属を溶かすことは知っている人も多いと思う。

これは2:17〜の鍵盤が神秘的で美しい曲。

なんなんだこの音は。

洞窟探索の先に辿り着いた絶景。

日本で例えるなら“銀水洞 ”という沖縄本島と奄美大島の間、沖永良部島にある洞窟。

曲を聴いているときは脳みそがこれになってる。

子守唄にぴったり。

この曲は部屋でずっとリピートすることができる。

おしゃれな空間ってこういうことだったんだね。

今夜の子守唄は『Aqua Regia』で決まり。

Sleep Token 公式ホームページ