ピックアップのスラント加工【楽器製作所RMI】

どうも、るいなです。

年末もありがたいことに、楽しいギターをみることができました。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

カナダよりいらっしゃった『Labyrinth guitarworks』。

“Apollo FF6”という6弦マルチスケールのヘッドレスギター。

今回の目的はピックアップの交換。

さっそく進める。

セイモアダンカンピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール

お持ち込みいただいたのはこちら。

“Saymour Duncan:SH-14”

それでは恒例のスラント加工をしていこう。

「オラオラ!」

セイモアダンカンピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール

はいできた。

詳しく知りたい方は、下に添付した記事を読むといいかもしれない。

お次のピックアップはこちら。

Y.O.S. ギター工房Smoggyピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール

“Y.O.S. ギター工房:Smoggy Pickups”

お〜お高いやつだ〜!

こんなハイエンドなピックアップに加工をするのは気が引けるなあ。

Y.O.S. ギター工房Smoggyピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール

はいできた。

容赦なくスラント加工をしていく。

んじゃ、取り付けよか。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

12月31日の早朝。

2023年最後の朝もギターをいじる。

これほど幸せなことはないと思う。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

納品まで気を抜かずにいこ。

フレットも磨いとこ。

フレットの種類はジェスカーの“EVO Gold”ぽいね!金色がかっこいい。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

今回のピックアップスラントはかなり面白い。

フロントは傾斜がゆるい。

リアはかなり傾斜がついている。

Y.O.S. ギター工房Smoggyピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール

純正のピックアップスラント角度になるべく近いセッティングにしている。

これがうまくいかないと、ピックアップを取り付けることすら叶わない。

ファンドフレット(マルチスケール)の楽器をピックアップ交換したい方はご注意を。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

このトップ材はボコーテかなあ。インディアンローズみたいな色味だけど。

ウォルナット2ピースのネックをマホガニーで挟んだ構造ぽいね。

指板はゼブラウッドかな、縞模様がきれい。

Labyrinth guitarworks Apollo FF6 マルチスケールファンドフレット ピックアップ交換

あとヘッドレスだけど、めっちゃ重い!

アポロさん、良いギターでした。

おわり。

ピックアップ スラント加工 ファンドフレット マルチスケール
ピックアップのスラント加工:11,000円(税込)

人懐っこいイヌみたいなエレキギター『#17 – Fenrir』【楽器製作所RMI】

どうも、るいなです。

夏、楽しんでますか?

僕はショッピングモールの駐車場に閉じ込められた友人の車を救出したり、花火大会に向かう浴衣姿を羨望の目で見つめて暑さを凌いでいます。ぜんぜん涼しくならん!

これは無事に救出できた時の祝杯の様子。この場では話せないことが盛りだくさんだったね!

さて、公開していいのかわからない前置きはここまで。

今回は新しくつくった楽器の紹介をする。

とりあえず全体を見せてくれって話だよな、わかってる。はいどうぞ。

楽器の名前は『#17 – Fenrir』。

“なんばーじゅうなな。ふぇんりる”と読む。

言いたいことは色々あると思うけど、順番に説明していくので待ってほしい。

ボディの形状について

“フェンリル”という名前はこのボディの形のこと。

厨二病の治らない僕のネーミングセンスは笑って許してほしい。

北欧神話のオオカミを指す“フェンリル”。

要するにイヌ。

つまり人懐っこい。

なのでボディの形も丸みを帯びていて、

“Cetus(ケートス)”“Cocytus(コキュートス)”

のような癖がない。とにかく人にやさしい、人懐っこいモデル。

“Cetus”と“Cocytus”は個性が強すぎるんだよな。でもそんなところが大好き。

話がそれた。今回はフェンリルのお話。

ボディについて

トップ材(表層)

表面を飾るのは“バックアイバール”という木材。

そう、木材だから驚き。

「これは石です。」

って言われても納得する。何度も言うけど、これは木材。

もちろん色も塗っていない。

削ってみると、石とか金属が混入していたので本当におもしろい木材。

お高い刃が一瞬で使えなくなったので、製作中はおもしろいとか言っている場合ではなかった。メンタルが大騒ぎだった。

まあでも、こんな変わった柄も出現したりと魅力は尽きない木材のひとつ。

大自然の神秘を具現化した存在だと思っている。

ちなみに、これが加工前のバックアイバールさん。

ミドル材(中間層)

この“ミドル材”が存在する楽器は市販品ではあまり見かけない。

この赤色で縁取りをしている木材。

その名も“ブビンガ”。

正直、このままトップ材として使用しても問題がないほど美しい。

実はアコースティックギター用にカットされた材を使っている。あまりにも贅沢。

めちゃ硬いので、ルックス的に印象を引き締めるだけでなく、楽器の構造的にも重要な役割を果たす。ブリッジを固定するネジを締める際などに実感する。

バック材(主材)

楽器のメインとなる木材は“アルダー”。

継ぎ目のない、一枚板。いわゆる1ピース材。

左右対称になるように木材を切り出した。これ以上ないアルダーだと思っている。

冒頭でも説明した通り、フェルリルは人懐っこい。

バックカットは、外周の面取りとするように造形。

いつの間にか、“線”が“面”になっている。このような造形に僕は美しさを感じる。

ここは“プッカ”。

え、『Pucca(プッカ)チョコレート』ってお菓子しらない?

知らない人は今すぐ調べて。そっくりだから。

下部のツノは細い。

やはり“プッカ”を意識している。

だから、プッカを早く調べて。そして比べてみて。

シールドケーブルが入りやすいようにカット。

機能を優先した造形となっており、先ほどの“プッカ”とは対象にカクカクとしている。

裏蓋もアルダー材を使用した。

このひょっとこみたいな形どうにかならん?かわいいね。

六角のビスで締結しており、ライブでの使用にも耐えて欲しいなという期待を込めている。

蓋には『#17 – Fenrir』と書いてある。

[工業製品 ✕ ハンドメイド] というギャップ萌えを狙っている。

ネックについて

指板材

これ、木材ですって。びっくりでしょ。

白と紫を兼ね備えた“パープルハート”という木材を使用した。

一枚の板で構成されており、着色もしていない。

この色は天然なのだ。美しすぎる。

以前にも、同様の指板材を使って楽器をつくった。

ご覧の通り、この指板の白い部分はヘッドまで突き抜ける。

正直、かなりの時間をこの工程に使った。めちゃむず!って感じ。

フレット

7弦ギター

フレットはあんまり語ることないな。

個人的にベストなステンレスフレットを打ち込んだ。

細くて背の高い『JESCAR #55090』という型番。

背が高いフレットは“フレットすり合わせ”のできる回数が多いし、押弦したときの弦の位置と指板の距離が離れることで弾き心地が“ハーフスキャロップド指板”に近くなる。

ハーフスキャロップド指板とは。
フレットとフレットの間の指板面を凹み形状に削った指板のこと。
“スキャロップド指板”よりは控えめに凹みの削られたものを“ハーフスキャロップド”と呼ぶことが多い。

“ハーフスキャロップド指板”のメリットはチョーキングとかビブラートの際に指が指板に引っかかりにくいこと。

要するに、ベンド奏法がやりやすい。

“ハーフスキャロップド指板”で有名なのは、あの世界的メタルバンド『BABYMETAL』のギタリスト、大村おおむら孝佳たかよしさん。

学生時代の憧れだあ。

ただ、大村さんの愛用するギターのように指板を削ってしまうと後戻りはできなくなる。

つまり、“その後の選択が減る”。

これが“スキャロップド指板”のひとつのデメリットだと考える。

※選択肢が減るのは客観的な事実。“スキャロップド指板”しか勝たん、という考え方はむしろ大好き。安心してほしい。

他にもスキャロップ加工したあとのネックの強度問題とか、何フレットまでスキャロップするのかなど、論点はいくらでもある。

ぁ〜、これ以上語るとほんとに来週になっちゃう。控えねば…

あと!スキャロップド指板にすると押弦の力加減に注意しないといけないとか!!!おい、これ以上しゃべるな。

ギターパープルハート

これはフレットの話題が1番盛り上がる可能性あるな。

というわけで、僕は後に引けない“スキャロップド指板”ではなく、加工の余地を残すために背の高いフレットを打つという選択をした。

背の高いフレットは押弦の際に弦と指板の距離を離すという条件を満たすという点では、“スキャロップド指板”と同様の恩恵を受けることができる。

この選択は、他のフレットにも打ち替えることができるという選択を残しているのでお好みであとから加工が可能。

つまり“スキャロップド指板”のメリットを感じながらも、他の選択も取ることが出来るという、“選択肢を残す選択”を選択。

やばい、話がややこしい。

この話を理解できる人、知ってる限りで4人しか居ないけど大丈夫かよ…

7弦ファンドフレットマルチスケールギターフレット

解説の難易度を戻す。

フレットサイドは最低限の面取りしかしていない。

理由は弦落ち対策とか、丸くしたい場合は後から加工できるからとか、あとは写真映えするからである。

なにより削ってしまっては後から加工する範囲が減る。足すことのできない金属であるフレットでは、それはデメリット。

要するに、丸めてしまっては後から角張った造形に戻すことはできないというわけ。

先ほどのフレット高さの話と同じ、“選択を残すという選択”を選択。

だから話をややこしくするな!!!

でもさ、世の中には選択肢を減らすっていう選択もあるよね。例えば“Apple社”のラインナップとか。

“Android”よりも選択肢が限られているおかげで悩む要素が減って、即決までのスピードが速い気がするもん。

迷うなら両方買うっていう選択もアリだよね。

まって何の話?

インレイ

インレイは大きければ大きいほどいい!以上!

 

 

 

 

 

 

そういうわけにもいかないな。説明しよ。

これは“ルミンレイ”。

光を蓄えて放出する、眼に優しい光を放つ電池要らずの蓄光インレイ。

中国製のお手頃なやつもあるけど、あれは不安要素が多い。

なので妥協せず、”ルミンレイ”を打ち込んだ。

あと、この黒い縁取りがヘビの目玉みたいでかわいい。

紫の指板に黒縁の組み合わせ。完全に毒へビの配色。

表面にインレイはない。

理由はサイドのインレイがこれだけ大きければ、指板の表に目印は必要ないと考えているから。

せっかくのパープルハート指板に穴を開けるのも申し訳ないし。

ネック材

メイプル。

シンプル。

木材に含まれる水分量が管理された、人工乾燥材とかいうマテリアル。

仕入れ先の話だしよくわからないけど、結果として状態が安定しているのでこれを使った。

ネックの接合部みて。

もうこんなん完全に“プッカ”でしょ。

お菓子みたいな色がたまらんかわいい。

ヘッドについて

はい。いつもの形状です。

このヘッド大好きすぎる。自画自賛でごめん。

先端の割れた部分。下のパープルハート材が覗き、荒廃した雰囲気を纏う。

パープルハートも茹でた。

これは過去1番の難易度だった。しかし思いついたならやるしかない。

その上には放射状の“バックアイバール”を貼り付けた。

おかげで廃墟のようなヘッドとなった。

あまりにも至高。

#03 – Fafnir

実は以前にも“割れたヘッドトップ材を使い、下の木材を見せる”のはつくったことある。

“Ruina Miyashiro”の原点に回帰するスペック。

ナット

大人気だった透明なナット。

素材はアクリル。

指板とヘッドの突き板であるパープルハートのラインを崩さないために採用した。

ナットがクリアであることにより、紫と白のラインが途切れず透過して見える。

水晶や氷砂糖、ガラスのようにも見える清涼感のある“夏らしいナット”に仕上がった。

ナットに清涼感は求められていないだろ。“夏らしいナット”ってなに。

ボリュート

“ボリュート”というのはヘッド裏とネックの境目にある段差のこと。

強度確保の役割をさせられている“ボリュート”さんだが、こんなに主張させる必要はない。

ただ、僕は無類のボリュート好き。

主張の強いボリュートは、握った際に手のひらとの設置面積が大きくなる。つまり安心感がある。

「目まぐるしく不安定な世の中。このボリュートを握り、小さな安心を届けたい。そんな想いを込めてつくりました。」

ふざけすぎ。怒られろ。

みて“Ruina Miyashiro”って書いてある。

手作り感と工業製品感の融合、好きかも。

ハードウェアについて

ピックアップ

ブリッジ側:ナズグル

ネック側:センティエント

どちらもセイモアダンカンのピックアップ。

これに木材のカバーを付けている。

ピックアップカバーを取り付ける理由はもちろん、指板と統一するため。

するとどうだろう。

ヘッド。指板。ピックアップ。全てのパーツを使い、楽器の中心に軸が生まれた。

頑張って難しいこと言ってるけど、単純に中心の色を揃えたかっただけ。

ちょっと見栄張った。

ブリッジ

『ABM』のシングルサドル。

ドイツからやってきた、単体でも眺めることができる美しい工業製品。

ゴールドのハードウェアは、派手な木材を更に強調させる。それにしてもこのカラーリングはド派手。

TPO(時と所と場合)を選ぶ楽器になった。なにその言い回し、おもろ。

パープルとゴールド。ワンピースの“ドンキホーテ・ドフラミンゴみたいな配色だよね。

ワンピース 1話から観たい。

ペグ

ペグはいつもの『HIPSHOT』。

アメリカからやってきたとのこと。

円安が凄すぎて泣きながら輸入した。

精度が1番良いわけではないが、デザインとカスタムの幅の広さの総合点で優勝している。

「採用。」

まとめ

スケールが25.5~26.5のファンドフレットである理由とか、HIPSHOTはノブも最高であるとか、ESP製のトグルスイッチは丈夫だとか、語りたいことが尽きない。

ただ、もうかなりの長文になっちゃったしやめておこ。

そもそもここまで読めた方が居ないかもしれない。

僕もこの文章読み返すの修行だと思うもんね。

ちなみに『#17 – Fenrir』のレギュラーチューニングは7弦から【G・D・A・D・G・B・E】。

おわり。

謝辞

962wood works

ピックアップのボビンカバー製作/指板のフレット溝掘削と外周切り出し。

え、もう何年のお付き合いになるんですか…5年くらい?

どんなときも変わらず接してくれて、助けられていました。僕が熱を出した時も対処策をリストにして送ってくれた。やさしい。

これからも“962wood works”の繁栄を願っています!

 

Yuza Fujita

フェンリル7弦ギター

写真撮影のために、慣れない髪のセットとアクセサリー付けてたのめっちゃ面白かった。

また一夜漬け作曲大会やろうぜ。

あと、VILDHJARTA(ヴィルドジャルタ)のバンドTシャツはマイナー過ぎる。誰もわからないでしょこれ。

友人T

ワインを作る単細胞の菌類を育てている彼。8弦ギターとクラシックギターでジャズをするのが上手。おまけに被写体もできるハイスペック日本男児。

セッションに向かう前を捕まえて撮影に付き合ってもらった。

東京に行ってしまうと聞いて寂しくなった。

てか、サングラス怖すぎ。

 

今村さん

いつもお世話になっているアコースティック楽器製作のプロ。

ベンディングアイロンを貸してくれたり、木材の曲げ方を教えてくれたりいっっっっっつもお世話になってる。

わりと頻繁に会うので、この場でお礼を言うのは恥ずかしかったりする。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

ファンドフレットのギターのピックアップ交換【楽器製作所RMI】

とんでもないギターがやってきました。

見ればわかる、超絶変形ギター。

僕は正直得意です、こういうの。

DEAN GUITARS ML Select 6 Multiscale Kahler SNBB

今回はこちらのギターのピックアップを交換します。

実はこのギター、かなり特殊なファンドフレットを採用している。

簡単に説明するとナット位置を“平行フレット”とするマルチスケール。1フレット以降に傾斜をつけ、スケールを伸ばす考え方でフレットが打ち込まれている。

初見だとスラントフレットにも見間違えるが、実はマルチスケール。つまりスラントフレットとは違い、複数のスケールがしっかりと内包されているのだ。

いかん。詳しく語ると週が明けるのでこのくらいの説明にしておこう。

ちなみにスケール差は27~25インチ。どこまでも変態。いや褒めてます。

ふむ。やはりピックアップもなんか斜めになってるな。

これはスラントピックアップ。

ピックアップ交換も一筋縄にはいかない。

専用の角度でピックアップが搭載されているため、市販品のピックアップとの交換は想定されていない。

「そう、スラント加工をしなければ!」

ということでやっていきます、スラント加工。

上の写真はスラント加工前のピックアップ。

至って普通の市販品。

はい、加工した。

明らかに違和感を感じる角度になっている。

でも安心してほしい。取り付ければ全てわかるので。

フロントのピックアップだけでは飽き足らず、リアピックアップも加工。

こちらの方が傾斜が強いね。常軌を逸脱したルックスである。

取り付けた。

無事に収納できてよかった。

弦を張ってみる。

いいんじゃないでしょうか。

配線をしたら完成〜。

フロントだけゼブラ色のピックアップを搭載しているのがオシャレ。

改造した感が溢れ出ている。

なにより今の時代、ケーラーのブリッジを使ったギターというのが珍しかった。

個人的にはデカくて強そうなケーラーブリッジはだいすき。

ただ、いろいろ難点はあるらしく、扱いには慣れが必要かも…

まあ、そんなところも可愛がって愛せる方しかケーラーブリッジは使えないのかもね。

以上、ほとんどの人には無縁なピックアップのスラント加工のお話でした!

楽器製作所RMI ピックアップのスラント加工 : 11,000円(税込)から。

おわり。

ファンドフレットのギターのピックアップ交換【楽器製作所RMI】

これはほんの一部の人にしか役立たない情報です。

さらっと説明していきますね。

ファンドフレットのギターはピックアップが『スラント』されているものがあります。

ピックアップスラント加工ファンドフレット専用
RMI#02 – Cetus

このように、斜めに傾いているピックアップのことです。

なぜこんなめんどくさいことをするのか。

理由があります。

それはポールピースという、ピックアップの丸い金属パーツの上に弦を通すため。

当然ですが、ファンドフレットのギターはフレットが傾いています。

それに合わせてピックアップも傾け、ポールピースという金属パーツを弦の居る位置に調整しているギターが多いのです※ポールピースから弦が離れると音量が小さくなるため。

なので、傾きを付けていない市販のピックアップは、搭載してもポールピースの位置が合わないことがあります。

そもそも、ピックアップの形状が違うため、交換することが出来ないかもしれません。

しかし!

安心してください。

以下の通り『スラント加工』を行うことで交換が可能です。

ピックアップスラント加工ファンドフレット専用

めっちゃわかりにくいけど、下のピックアップは斜めにズレています。

このように『スラント加工』を行いポールピースの位置を調整することで、ようやくピックアップの交換ができます。

以上、本当に一部の人にしか役立たないお話でした!

楽器製作所RMI ピックアップのスラント加工 : 11,000円(税込)から。

おわり。

オーダーしていたSkervesen のギターが完成したので徹底的に解説する。

この記事は2017年6月15日に書いたものです。
当時の狂ったテンションと拙い文章をお楽しみください。

はじめまして、るいなです。

今回は、僕が片時も忘れられず、日常生活に支障をきたすレベルで好き過ぎているポーランドのギターメーカー

“Skervesen Custom Guitars”

その中でも、愛用している “Swan7″というモデルについて誠に僭越ながら、好き勝手に書いてみようと思う。ちなみに日本では『スケルヴェセン』と表記されている。

全体像はこんな感じ。

まず、個性が強過ぎるこのグロテスクなトップ材、こいつはバックアイバール。気持ち悪い(褒めてる

木の根っこの瘤で、白・黒・茶色などをぐっちゃぐちゃに混ぜたような色合い。病気やバクテリア、傷が修復した際の模様では?ということだが、明確な発生条件はまだはっきりしないらしい。

僕は廃墟や古代遺跡、大自然の神々しさを感じ、魅了された。 

最近影響されまくっているゲームがある。アンドロイドが廃墟探索や機械生命体なるものと戦闘をする、という内容。この木材は、そのゲームの舞台である廃墟や荒廃した雰囲気によく似合うと思った。ちなみに僕の厨二病を再発させた原因でもある。罪深い。 BGM最高。

また、廃墟で神々を喰らう某狩ゲームも随分前から好きで、今も稀にプレイする。登場する神々が非常に気色悪く、気持ち悪いが、そのグロテスクな見た目がまたこの木材に似ていると感じた。こちらのゲームのBGMもまた至高である。

このバックアイバールという木材。加工される前はスポンジみたいで軽く、スカスカらしい。その見た目の異質さから、トップ材として使用されることが多い。

加工する際に独特の匂いもすると聞いたことがある。くさそう…

バックアイバールは個体差がトンデモなく激しいので、オーダーする際は気をつけてほしい。

ボディ表面は2Dアーチドトップというらしい。

この緩いカーブにより、演奏性も抜群である。

次に中間層の茶色いの。名前は”ブビンガ”

「熱帯アフリカに生息してるんだって!」(種類が多過ぎてわかんない…

音響特性は明瞭な中低域。和太鼓の胴にも使用されるとか…

見た目はボディシェイプをなぞる素晴らしい曲線美を魅せ、ギター全体のバランスを引き締めてる感じ。特徴的なベベルドカットは眺めているだけでご飯が食べられる。ルックス面でも音響面でもなくてはならない存在。

今はワシントン条約で輸出入が規制されているとか。

そしてバック材

僕の大好きな激しい音楽では大人気のスワンプアッシュ!ザ・ウッド!みたいなはっきりとした木目が特徴。

音響特性は高域に優れ、7弦をバリンバリン鳴らしてくれてるみたい。

あと、このジャックの位置も特徴的。立って演奏する際もシールドをしっかり固定できる。スマートでかっこいい。

ネックはローズウッドとウェンジの5P。

 ローズウッドはビックリするほど赤茶色でメラメラしてる。ココボロかと思った焦った。

塗膜は薄く、サテンフィニッシュなので木の良さがより味わえる。演奏性も抜群。 色気のある妖艶な雰囲気が最高。

そしてローズウッドに挟まれているのがウェンジ。茶色と黒のコントラストは舐めたくなるよね(共感を求めるな

とっても硬いらしく、音も明瞭で硬質。

わかりにくいネックの形状だが、実は左右非対称である。1弦側が厚く、7弦側が薄く仕上げられている。これは僕の浅い音楽経験の中で最も理想形だった。ネックの頂点もやや高音弦側にあり、ハイフレットに向けて緩やかになっている。改めてメーカーの加工精度と愛情の深さに驚いた。

これはメーカーの中でも個体差があるようで、写真で見ただけでも色々な形状のものがあった。

チューニングについては、日本上陸から1ヶ月程かけ、少しずつ木材が安定してきた。現在まで、ネックは一度も調整していない。最高のセッティングをキープしている。

指板はバーズアイメイプル! 水疱瘡みたい…これも明確な発生理由はわからないんだって。特定のメイプル材の極少数の個体からのみ現れるこれまた希少な材とのこと。

幸せを呼ぶらしいが、この材自体が”幸せ”そのものである。歓喜である(キャッキャキャッキャ

そんな理由から、英国エ◯ザベス女王の皇室の内装もこの材が使用されているとのこと。

指板にはSkervesen の”S”をぶちまけ散らした。

メーカー愛が強過ぎる。

これはみんな大好きアバロン貝を使用。メーカーお得意の樹脂系も近代科学の真骨頂!みたいで捨てがたいが、トップ材が”樹海の秘宝”みたいなのでこちらは”大海の宝石”という大自然をコンセプトにしている(無駄に壮大な話にするな

サイドインレイも大人気ルミンレイ。

担当のMaciek

「ブルーは光量が少なく短命なんじゃぁ…」

との事でグリーンを使用。光らせるのが楽しくて時を忘れる。

そしてサウンドとプレイアビリティ、加えてルックス。僕の理想とする条件を全て満たす“ファンドフレット”(25.5-26.5の緩やかな扇状を採用)

これは、主に7弦などの低音弦が本来与えられるべき張力で鳴らされ、 音程感を向上させるのが目的。人間の四肢の動作に対しても扇状フレットは非常に理にかなっていると思う。

僕「人間工学いいわぁ…」

と、よく知ったかぶりをしている。

”Re:ゼロから始まるステンレスフレット生活”

言いたかっただけ。

0フレットというナットの役割をするものが打ち込んである。これにより1フレットから弦高が低い。すごい。快適極まりない。錆びにくく耐久性にも優れているので常にピカピカ。快適極まりない(しつこい

最近は巷でマフラーのように可愛らしく装着されているミュートラップ。実はこの共振を抑える役割のものが既にヘッドに搭載されているのである…素敵…///

ちなみに僕は 「木材を隠したくない」 というだけの安易な考えでミュートラップは外付け装着出来ないのである。

ブリッジはABMのシングルサドルを採用。ここで画像をよく見て頂きたい。太い弦に行くにつれてサドルの間隔が段々と開いているのがお分かり頂けるだろうか。

弦の太さを考慮し”弦間のピッチ”が均等になるよう、計算されているのである。神である。

続いてコントロール。

ボリューム・セレクター・コイルタップ。

“World Domination Mod”という電池要らずでアコースティックなサウンドを鳴らせる、このメーカー独自開発の配列も存在する。非常に魅力的ではあるが、この個体には搭載しなかった。2機目をオーダーする際は搭載を考えている。

ピックアップはこだわった。全部こだわったけど。

そう、スラントしているのだ(ビシッ

先ほど説明した扇状フレットにより、指板やブリッジも傾いている。便乗して斜めにしちゃえいっ!という事である。

リアはBare Knuckle Pickups のNailbomb

「ジュゴァアアア!」って感じ……よくわからん

狂気を感じた。最高。好き。

フロントも同じくベアナックル、VHIIを搭載。シングルコイルでリアとミックスにすると面白い。スラップがやめられない。できないけど。

そして見た目に関してだが、

メーカー担当者「木材ボビンはいらんかね〜」

僕「はい全部ください!」

とまあ、こんな感じで木材ボビンの公開から狂気じみた速さでスペック変更を連絡。いいカモである。木材は指板と同じバーズアイメイプルを使用。ここを統一することで、混沌すら感じるトップ材を程よく緩和出来ると思った。

メーカー担当者さんと意見交換、話し合いをしていると、合作をしているようでとても楽しかった。

ボディシェイプについては、このメーカーの中でも特に曲線が魅力的なモデルであると思っている。

流線型のシェイプは、ローフレットが近く感じ、バッキングや低音弦のリフ、立って演奏する際に非常に快適な状態で演奏出来る。かと言ってハイフレット側にストレスがあるわけでもない。ここでもまたファンドフレットの恩恵を感じた。崇拝してる

ただ僕の場合、立って演奏する際は高い位置で構え、座っている時はクラッシックスタイル(左脚に乗せるタイプ)で演奏するので、そのフォームにマッチしているだけかもしれない…

他にもコンター加工やフレットの処理など、至る所に尽くされた演奏者への思いやりは、精巧な加工精度で製作する少数先鋭のメーカーならではのクオリティだと思った。

ヘッドもボディと同じSwanシェイプ。

リバースヘッドの攻撃的なルックスに細く繊細、かつ優雅な雰囲気をも兼ね備えてたもっとも好みな形状だった。強度的にも弦の下をしっかりと通り問題のない細さ。、美しさとは強度などが全てバランスよく加味されてはじめて成り立つものなのか…と改めて認識した。

ハードウェアはブリッジ・ペグ・ノブの全てが、ゴールドとブラックを混合して搭載している。ブラックで引き締める事により、落ち着きのある上品さを感じることができる(ここ重要(ワガママ言った(対応してくれたボグミル氏本当ありがとう。

これにより”廃墟に佇む古代兵器”のような雰囲気を身に纏いながら”中世ヨーロッパの貴族”のような気品をも感じさせる、

「僕の考えた最強のギター!」

が完成した。納期なんかどうでもよくなった。それくらい凝った。

完全に廃課金プレイヤーである。

ゴールドのハードウェアや、木材の音質・見た目は、弾けば弾くほど荒廃した雰囲気が増し、廃墟が似合うギターに育つだろう。将来有望。何を目指しているのか……

〜Tumblrに投稿した理由について〜

実は2017年6月15日。

このSwanにお世話になって1周年記念である(おめでとう(ありがとう(これからも仲良くしてね

日本では”スケベ”なんてトンデモナイ愛称で親しまれているSkervesen Custom Guitars さんへ

『スケベ!これからも僕のトレードマークとして愛用してくぜっ!また演奏動画も投稿するよ!ありがとうスケベ、ありがとう!!』

んぁ、日本語で大丈夫かな…

それより、最後まで読めた強靭なメンタルの持ち主が居たとしたらTwitterのリプライとかで報告して欲しい、そんなレベルの長文になってしまった…

そんな最後まで読んでくれた猛者の方々へ、絶大な感謝を込めて一言。

「 ス ケ ベ を す こ れ 」