いま、世界中の音楽好きを沸かせているバンド『Sleep Token』。
激しいメタルシーンの音楽を出身とする彼らだが、留まることを知らず更なる崇拝者を増やしている。

読み方は「スリープトークン」。
イギリスのロンドンより生まれた、謎多きロックバンド。
今回のアルバムは10曲で構成されており神秘的で熱狂的、そして悲壮感も混じった固有の世界を構築している。
公開は2025年5月9日。
全曲を視聴することが可能となった。
前作品『Take Me Back To Eden』の衝撃を忘れる間も無く今回の作品の発表。
我々はつい2年前に前作品で胸を打たれたばかりであり、そのインスピレーションはまだ頭を離れてはいない。
全ての展開に意味を感じさせて飽きさせることはなく、それは奏でる楽曲にも通ずる。
衣装からライブパフォーマンスまで徹底した彼らの演出は、活動そのものが作品であると考えている。

目次
『Look To Windward』
レトロなゲームミュージックのようなイントロから始まり、メタルまで楽しめる気合の入ったオープニング。
『Emergence』
先行して視聴可能となったドラマチックな演出。最後のサックスパートが哀愁漂う。映画を一本観たかのような充実感。
『Past Self』
こちらは5月9日に視聴可能となった、ラップパート多めの神秘的な組み合わせの美しい曲。ダウナーな印象が残っており、リラックスして聴ける。

『Dangerous』
どこかアジア、日本を意識したと考えたくなる音の混じった中盤。ユニークな音がたくさん盛り込まれており、奇怪な1:27〜の展開は中毒性が高い。
『Caramel』
先行して視聴が可能だった、オルゴールのサウンドに癒される曲。途中から入るドラムパートの音のキレとは対比で脳みそが一気に引き締まる。音を置く位置が完全にメタルである。
『Even In Arcadia』
ピアノの旋律で広大な大地へと誘われ、反響するストリングスが心なしか馬頭琴(ばとうきん)にも聴こえてくる。アジア圏でのライブを願いすぎだろうか。曲名はアルバムタイトルでもある。

『Provider』
ベースサウンドの低音域が心地よい。3:34〜の大きなブレイクダウンは、メタル好きであれば何度でもリピートすることになるだろう。「これぞスリープトークン」と過去のアルバムを思い出せる楽曲。
『Damocles』
先行公開されていた、すでに馴染みすら感じ始めた楽曲。アルバム後半を伝えてくる切ないピアノとギターのサウンド。古代ギリシャの故事に出てくるダモクレスのことをテーマとした曲であると推察している。

『Gethsemane』
3:07〜のギターリフが印象的。その後のフィルターを一枚通したような荒廃的なサウンドは、YouTubeにて公開された戦争後のようなジャケットを思い出させる。
『Infinite Baths』
ラストはやっぱりスリープトークン。落ち着いた、しっとりとした雰囲気で中盤を迎えつつも最後はメタル。最後までメタルオタクの我々の心を掴んで離さない。予想していた通り、前作“Vore”にも負けないシャウトで叫びエンド。

CDではさらに「Emergence(インストゥルメンタル)」と「Even In Arcadia(ピアノバージョン)」のボーナストラック2曲を追加。
そして、解説と和訳歌詞まで収録されているとのこと。
特別感に溢れた、日本人にはありがたい豪華な仕様。

Sony musicより、日本語訳バージョンの動画が公開されたりと意味ありそうな動きを観測。
これでは日本へ来るのも夢の話ではないのか。本当に日本で彼らを観ることができるのではないかと期待が高まってしまう。
『Sleep Token(スリープ・トークン)』のライブをこの記事を読んでくれた方々と一緒に観ることができたら楽しい。

【Amazon】Sleep Token (スリープ・トークン)- Even In Arcadia:CD
※2025年6月25日発売予定
おわり。
ピンバック:新ジャンルの創造『Sleep Token』の世界観を探る【まとめ】 – 楽器製作所RMI