エレキギター界のアイコン的な存在、「フライングV(Flying V)」。
ロックミュージシャンの中では、アイドルのような立ち位置のモデルを今回はご紹介します。

フライングVってどんなギター?
フライングVは、1958年にアメリカのギブソン(Gibson)社が発表したエレクトリックギター。
名前の通り、翼を広げたような「V字型」のボディデザインが最大の特徴。
1950年代後半、未来的なデザインのギターを目指して開発されたこのモデル。
当時の印象ではかなり斬新で、発売当初はそれほど売れず…
その後、少しずつこの独特な見た目が愛されるようになり、ロック界のシンボルになっていきました。
逆境を乗り越えたからこそ、今のフライングVがあるのかもしれません。

どんなアーティストが使っているの?
フライングVといえば、こんな伝説的ギタリストたちを思い浮かべる人も多いはず!
アルバート・キング(ブルース界の巨人)
マイケル・シェンカー(モノクロのフライングV使い)
K.K. ダウニング(ジューダス・プリーストのギタリスト)
ジェイムス・ヘットフィールド(メタリカのギタリスト)
などなど、特にハードロックやヘヴィメタルの世界では憧れの象徴です。

フライングVの特徴は?
1. ボディが大柄。
座って構える際は足の上に「V」の谷間部分を置いて構える必要があります。
重量のあるマホガニー材やコリーナ材が多く使われるおかげか、意外とサステイン(音の伸び)も豊か。
最初は戸惑うかもしれませんが、アレキシ・ライホのように座って構えると意外としっくりきます。
2. ピックアップは2つ。
フライングVの多くが、ハムバッカー・ピックアップを2つ搭載しています。
パワフルなディストーションサウンドを生み出す名機として有名。
ブリッジ側のピックアップを使うことが多いですが、温かくて厚みのある音を奏でるネック側のピックアップにも魅力があります。
3. ステージでのパフォーマンス。
変形ギターの始まりでもあるフライングV。
目立つカラーで塗られ、一目でハードロックやメタル系のギタリストであるとわかります。
とにかくかっこいいことに重点を置いており、機能性を割り切った見栄えへのこだわりにステータスを振り切っています。

フライングVは初心者にもおすすめ?
見た目がめちゃくちゃカッコいいフライングV、座って弾くと扱いづらいというデメリットもあります。
しかし、練習の時から立って構えれば問題はありません。
ステージ映えを狙うなら最高の一本。
扱いにくさを超えて愛せる、一途な方向けのエレキギターです。

まとめ
フライングVの一番の魅力はルックス。
デメリットもありますが、他のモデルにはない魅力に溢れているモデルです。
オリジナルのモデル(1958年スタイル)だけでなく、ランディV型やキングV型などのモダンなデザインも多く販売されています。
一度入ったら抜け出せない「V型エレキギター」の世界。
覗いてみると、そこには奥深い変形ギターの入り口がございます。

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