どこのオタクギター?『Zero Thrash Guitars』をリペアする。

こんにちは、るいなです。

今回はなんとも面白い楽器を調整させていただきましたので報告です。

こちら“Zero Thrash Guitars ”の7弦ギター。

どこの国からやってきたんだよ、と思いTwitterで聞いてみたらなんと国産とのこと。すぐリプライで教えてくれるのなに。愛?

それにしてもTwitterの方々、なんでも知ってる。個人情報の保護なんてあったもんじゃない。

何はともあれ全体調整。オクターブやフレット磨きを進める。

弦を張ったら完成。と思ったのだが、ボディとネックの中心がズレていたり、フレットの高さが均一ではない事に気がついた。

早速オーナー様に連絡。

結果、全て直してくれ。とのことでセンターズレの修正とフレットすり合わせもすることになった。お任せあれ。

最初に“センターズレ”を修正する。

今回のセンターズレはネックとボディの接合部に隙間があり、ネジの固定が甘くなっていた為に左右に傾いたのだと思われる。

ちなみにセンターズレと言っても色々なパターンがあるのでリペアの際は原因の見極めが大切。

この個体はネックジョイント部の穴にインサートナットが入っており、それ自体が傾いていたので矯正。

写真の通り、空いた隙間は埋まらないが、自然な位置に弦が通るようになった。

いわゆる“弦落ち”の原因の一つでもあるセンターズレ。違和感を感じたら信頼のできるショップに相談すべし。もちろん当工房でも大歓迎。

続いてフレットすり合わせ。

すり合わせの方法はこちらにめちゃ細かく書いてあるから読んでみてね。

ほいできた。ぴかぴかだね!

仕上げは『ねこだまり工房』さんの蜜蝋ワックス。これを指板にぬりぬり。サクッと拭きとる。

なんかセールで安くなってたからリンク載せておくよ!

【Amazon】ねこだまり工房 精油入り 自家製クリア蜜蝋ワックス

そしてリペア中、何度も目を奪われたこの杢目。

“ケヤキ”や“タモ”に似ていると感じた。力強さと繊細さを兼ね備えた美しさ満点のトップ材。

そしてペグやピックアップカバーは純正ではなく、あとで加工して取り付けられたものらしい。かなりセンスのいいカスタム。見習いたい。

バックはアルダーかなあ。無難だけどアルダーってめっちゃいいよね。反りが少ないし加工しやすい。そして見た目も落ち着いててね、もうね、大好き。

ネックの形状は完全な台形。弦は27インチスケールにて張られ、いわゆる“バリトンギター”となっている。チューニングどんだけ下げるのよ。

そんな個性の塊“ゼロスラッシュギター”さん、現在はもう生産していないらしい。つまり大変希少。

2012年くらいに話題になったメーカーらしく、こちらは『#5』とのこと。5作品目ってことかな。

それにしても10年前からこんなオモシロギターが国内にて製造されていたのか、と思うと驚くばかり。僕がギターに触れる前から作られていたってことだもんね。すごいなあ。

これからの“オタクギター”はどうなっていくんだ、なんて考えさせられる作品でした。

みなさんはこれからの楽器業界、どうなると予想しますか?

それではまた。

※ブログへの掲載許可は頂戴しております。また情報提供ありがとうございます。今後ともどうかご贔屓に。

おわり。

前回の記事はこちら

【第二章】滋賀県のギター工房にて“ボグオーク”を削る【楽器製作所RMI】

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