初心者向けギター・ベースの全体調整ガイド【前編】ネックの反り調整・弦高調整の基準と具体的な数値の例。

※この記事は【前編】です。オクターブ調整や指板メンテナンス方法については後編のこちらをご覧ください。

るいなです。

「最近へんな雨多くないですか!?」

え、梅雨明けしたんじゃないの…ネック反ってきたじゃん…

というわけで異常気象のおかげか、ひと足遅れて『全体調整』のご依頼が増えてきました。

そう。この“全体調整”というワード、よく言いますよね。楽器屋さんでも案内されたり、聞き覚えがあるかと思います。

では、具体的になにをしているのか。あなたはご存知ですか?

「そんなことも知らないの!?」

なんて思われたくなくて今更聞きにくい気持ち、めちゃくちゃわかります。考えすぎかなぁ。

14歳のギターを始めたばかりの頃、楽器屋さんで

「とりあえず全体調整で!」

ってお願いしたことあるんです。

いやあれ、すごい度胸必要ですよね。

僕はすごく緊張してしまって…だって何を調整してくれるのか知らなかったんだもん…

それ以来、自分で調整するようになりました。社会不適合すぎでしょ。

しかし!

“あなたにはそうなってほしくない!”

自信を持って「全体調整お願いします!」してほしい!

ということで『全体調整』が具体的に何なのかを説明します。

この前編では主に弾きやすさを左右する2つの項目を解説。残り3つは後編にてご紹介。

それでは前編、参りましょう。

ネック調整:そもそも『反り』とは。プロに任せることのメリット。トラスロッドはギターの寿命。

結論から言うと、セットアップとして間違いないのが“やや順反り”の状態。

順反り : 弦の張ってある方向に向かってネックが反っている状態。

しかし、弦を弾く力加減や演奏する曲のジャンルにより“最良”の状態は変化する。

例えばチョーキングを多用する、ブルースを演奏するのであればネックは少し順反り。

速弾きを行うメタル系が好きならネックの状態はストレートでもOK。

ネックの状態は大きく分けると“順反り・逆反り・ストレート”の3種類に分類される。

これらは弦を弾く力と振動する幅を考慮して判断しているため、人それぞれ“最良”が異なる。

あなたの好みを理解してくれるリペアマンが居れば心強い。

RMI #11 – Cthulhu : ネック内部

『ネック』とはその名の通りギターやベースの“首”。

とても重要な部分のため、極端に曲がっている場合は矯正を行う。人間も首が曲がると身体の至る所に不具合が出るでしょ。たぶんそれと同じだよね。たぶん…

RMI #13 – Cetus ネック内部

その矯正は“トラスロッド”というネック内部の長いボルトを回して強制的にネックを反らせて行う。

画像は指板を貼る前のネック。トラスロッドは中心の赤い棒。

トラスロッドは回し切ってしまうと修理が難しく、リペアの代金も高額になってしまう。

そのため、[楽器の寿命=トラスロッドの余裕]とも考えられる。

「いつものセッティングで!」

この一言で伝わる腕のいいリペアマンを知っていれば、それは今後の音楽生活において何よりの財産になるだろう。

ちなみに、トラスロッドの調整はギター・ベースの購入時に付属していた六角レンチで調整ができる。

右回しで逆反り(締める)、左回しで順反り(緩める)。

ここだけ覚えておけば、自分でも調整ができる。

弦高調整:弾きやすさの大部分を決める。『高め・低め』の基準と具体的な数値の例。

『弦高』これは弾きやすさに直結している。

RMI #01 – Cocytus : 12フレット位置の弦高

この“弦高調整”は主に12フレットと弦までの距離のことを指し、

「弦高0.7mm達成!!!!」

などと、セットアップを詰めたことにより自己顕示欲を満たそうとする人もいる。僕とかね。

弦高は低ければ“良い”わけではない。

軽いタッチで音を出したい人は低め。チョーキングで良い音を出したい方には高めのセッティングをお勧めしている。

弦高の調整はブリッジにより異なるが、小さいイモネジと呼ばれるもので上下するものが多い。

調整する際はそのイモネジを絶対に無くさないこと。これが何より大切。

当工房での“弦高高め”の具体的な数値は

[1弦1.4mm / 6弦1.8mm]※2025.4.28.更新

としている。

“弦高低め”の具体的な数値は上記にもある自己顕示ツイートを参照してほしい。

新宿駅 南口バスターミナル前。迷惑そうな顔をしつつも弦高を確かめてくれた友人R。

弦高調整ももちろん自分で調整可能。

やり方はギター・ベースの購入時に付属していた小さい六角レンチで、ブリッジのサドルの高さを上下するのみ。

RMI #02 – Cetus

おい、まて野外で楽器を振り回すな。

まとめ:一般的な基準はどのくらいなのか。

今回の前編では、弾きやすさを左右する『ネック調整』と『弦高調整』を説明してみた。

いかがだろうか。

ここまでは当工房の考え方をひたすら語っていたけれど、一般的な設定はネックの反り具合は『やや順反り』。

12フレット頂点から弦の距離が『1.5~2.0mm』前後が無難かと思われる。

ただ、これはあくまで基準。

気の許せるリペアマンと情報交換をしながら詰める。このひと手間であなたの楽器はもっと力を発揮できる。

後編では、音程やフレットに関しての残り3項目を解説している。

そのまま後半もご覧あれ。

後半はこちら。

 

よい夏を。

おわり。

9件のコメント

  1. 関口雅信

    「純反り」ではなく「順反り」ではないでしょうか。

    • 関口様

      閲覧ありがとうございます。

      誤字の訂正をいたしました。
      ご指摘ありがとうございます。

      今後ともよろしくお願いいたします。

      楽器製作所RMI
      巫社 瑠衣奈

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