この記事は少しマニアックな内容です。
ギター選びにおいて知っておくと役立つ、「チェンバード加工」のされたエレキギターについてご紹介します。
以降、チェンバード加工のされたギターを“チェンバードボディ”と呼びます。

チェンバードボディとは?
チェンバードボディとは、木材のボディ内部に空洞(チャンバー)を作った構造のギターのこと。
見た目は、ソリッドボディのエレキギターとほぼ変わりません。
しかしボディ内部の一部がくり抜かれており、軽量化や音の特性に影響を与えるように設計されています。
ソリッドボディとセミアコ(セミホロウ)の中間のような存在であるとも言えるでしょう。

チェンバードボディの特徴
1. 軽量で取り回しがよい
ソリッドボディのギターは木材が詰まっているため、重くなる傾向があります。
チェンバード構造にすることでボディが軽くなり、長時間の演奏でも肩や腰への負担が軽減されます。
2. 豊かな響き
空洞部分があることで、ソリッドボディよりも音が大きめに出るようになっています。
単音弾きやクリーントーンでのコードワークにおいて、温かみのある音色が特徴です。
3. サステインとレスポンスのバランスがよい
完全なホロウボディに比べてハウリングに強く、適度なサステイン(音の伸び)も確保されています。
ジャズ、ブルース、インディーロックなどにも相性抜群。
※メタルのように歪みの量が多い場合、ハウリングします。

チェンバードボディの欠点
どんな楽器も完璧ではありません。
必ず欠点が存在します。
・ソリッドボディに比べると、音のアタック感や威力が弱め
・強く歪ませたサウンドでは、低音の明瞭さに欠ける
・製作費用が高くなるため、値段が高いモデルが多い
ギターを手に取り試しに弾いてみてから、購入の際は選択肢に入れましょう。

有名なチェンバードボディのギター
Gibson Les Paul(レスポール)Chambered
定番レスポールにチェンバリング加工が施されたモデル。
重量が抑えられつつもレスポールらしい太い音が楽しめます。
Gretsch(グレッチ)Duo Jet
グレッチ独自の「チャンバード構造」.
軽さと空気感のある音色は、ロカビリーやオルタナ界隈で人気。
Strandberg(ストランドバーグ)Guitars
スウェーデン発の工学的なエレキギターブランド。
特徴はヘッドレス構造、エルゴノミックデザイン、マルチスケール指板など。
モダンな演奏スタイルや、テクニカルなプレイヤーに特に人気があります。

まとめ
チェンバードボディのギターは、サウンドの奥行きと演奏性のバランスに優れた選択肢です。
軽さと音の柔らかさを求める人に特におすすめ。
試奏の際には、ソリッドボディとの違いを比較すると『チェンバードボディ』の恩恵を感じることでしょう。