エレキギターと言っても、実はいろいろなタイプがあります。
その中でも「フルアコースティックギター(Full acoustic guitar)」と呼ばれるものを今回は徹底解説します。
「箱もの」や「ホロウボディ」と呼ばれることも多いです。
見た目のクラシカルな雰囲気と豊かな響きは、フルアコでしか味わうことのできない魅力です。
それでは、フルアコースティックギターの特徴やメリット・デメリット、そしておすすめの使用シーンについて詳しくご紹介します。

フルアコースティックギターってなに?
フルアコのエレキギターは「中が空洞」になっています。
見た目はその名の通り、アコースティックギターに近いです。
見分けやすい特徴は、fホールと呼ばれる“f”字型の穴です※ボディの表面に存在するモデルが多いです。
内部が空洞なのでアンプにつながずに弾いても、ある程度の音量が出るのもポイント。
エレキギターのためピックアップがついており、アンプに接続して音を出すこともできます。

サウンドの特徴
フルアコの一番の魅力は、その「空気感」です。
ジャズギタリストに好まれる理由もここにあります。
柔らかく、丸みのある音が得られるので、コードを多用するプレイやメロウな演奏にぴったり。
逆に、ハイゲインで歪ませるとハウリングを起こしやすいです。
そのため、メタルやハードロックを演奏するために使われることはほとんどありません。

どんな音楽に向いている?
フルアコースティックギターは、以下のジャンルで特にその魅力を発揮します。
ジャズ:定番中の定番。甘くて太いトーンが魅力。
ブルース:感情豊かなニュアンスを出しやすい。
ロカビリー/オールドロックンロール:Gretsch系のホロウが人気。
ボサノヴァ/ラウンジミュージック:ナチュラルな音が雰囲気にぴったり。

フルアコの代表格であるエレキギター
Gibson ES-175:ジャズギターの王道モデル。
Gretsch 6120:ブライアン・セッツァー愛用で有名。
Ibanez Artcore:手頃な価格で楽しめる弾きやすいシリーズ。

メリット・デメリット
メリット
空気感のある温かいサウンド。
軽量でアンプを使わず、アコースティックなサウンドを楽しめる。
デメリット
ハウリングしやすい。
歪み量が多いとハウリングしてしまう。
修理が高額になりやすい(ボディ内部の配線や、セットネック構造による影響)

まとめ
フルアコースティックギターはルックスだけでなく、そのサウンドを使いこなせる技量も問われるエレキギターかもしれません。
・コード(和音)を弾くことが多い。
・アコースティックギターのような、楽器本体の鳴りも楽しみたい。
欲張りな理想を叶えてくれる、エレキギターとアコースティックギターの中間のような存在です。

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