どうも、るいなです。
僕は普段、メタル系のエレキギターを診ることが多いです。

しかし、今回は珍しくビンテージギターをお預かりしました。
内容はフレットのすり合わせ。

本物の劣化がかっこいい。“レリック加工”との違い。
ハードケースから開ける。
これまた指板の劣化具合がかっこいい。
レリック加工ではなく、本物の劣化がイケイケなので、今回は指板の現状を維持したままフレットのすり合わせを行いましょ。
レリック加工とは。
新品のギターに傷や塗装の剥がれ、パーツのサビを施す加工方法。長年使い込まれたような、ヴィンテージギターの風合いを再現するための手段です。
ヴィンテージギターならではの“フレットすり合わせ”。価値を下げないための加工手順。

まずは古い弦を取り外します。
おお、ナットも取り外れました。
よく見ると、1弦側と6弦側が逆に付いていました。
本来の向きで接着しておきました。

次。ネックを外します。
ネックプレートのシリアルナンバーを見ると、どうやら1976年製造の個体なのではないかと思われた。
フェンダーの製造年数とシリアルナンバーについて詳しい方、僕が間違っていたら教えてください!

指板の様子を見に行きます。
カッケェ劣化具合。
ここで本来は指板に傷が入らないよう、念のため指板にマスキングテープを貼ります。
しかし、今回はビンテージギター。
マスキングテープの粘着力であっても劣化した塗装が剥がれることがあるため、テープなどの保護はしません。
年代物のギターをお預かりした際は、その価値を下げないようにするために塗装の劣化具合を維持するような手順で進めます。

フレットの端が浮いていたので、この際に補修もしておきましょ。
いよいよフレットを削ります。
黒いインクでフレットの頂点を塗り、削ったあとに残っている部分が凹み。

平面のアルミ角棒にヤスリを巻いて削ってみると、このように低い部分が黒く残ります。
この黒い部分がフレットの最も低い位置。

黒くインクで塗った部分が消えるまで、フレットを平坦に削りました。
ようやくフレットの頂点が平面になりましたが、まだフレットの断面図は台形。
このままでは、弦を張っても正確な音程が出ない。
そして弦との設置面積が多く、摩擦が大きいためにチョーキングやビブラートなどのフレットを擦る動作がスムーズではありません。

ここからフレットの頂点を削り、フレットの断面図が半円になるように道具を使って成形します。
道具の名前はフレットクラウンファイル。
僕が今まで使った中で使い心地がよくて気に入っているのはこれ。
【Amazon】HOSCO Luthiers Tools フレットクラウンファイル R=2mm TL-FF2
耐久性も高いから好き。

フレットの上部と下部に反射が生まれました。
ここからは少しずつ、ヤスリを使って丸くします。

普段はマスキングテープを使うことが多いですが、今回はビンテージギター。
テープの粘着力で塗装が剥がれてしまう可能性があるため、フレットをガードするための金属板で保護。
【Amazon】KC フレット磨きプレート PFB-500 (2枚組み)
普段のメンテナンスにも使っている、フレット磨き用プレート。

ペーパーヤスリを指に貼り付けて、磨きます。
手袋つければよかった〜!手が真っ黒になる!

ヤスリの番手は2500番まで行いました。
金属用の研磨剤で仕上げればピカリ。

光を反射させて遊びます。

指板の劣化具合とフレットのピカリ具合がアンバランスでよいです。
大切に使い続けてビンテージギターになってきた、ストーリーを感じる。

弦を貼り、全体調整を行いました。
全体調整の内容は下記に詳しく書きました。

弦高は1弦が1.6mm程度。

6弦の弦高も1.6mm程度です。
なるべく低めにセットして、お好みで上げてもらうという方向。
理由は、弦高を上げる方が下げるよりも手軽に済むことが多いからです。

できた!
ステッカーがセンスを感じる。
めちゃいけてます。
ロックンロールすぎ。

ヘッドも日焼け、塗装の劣化で貫禄あり。
普段はメタルギターばっかり診させてもらってますが、ビンテージギターもカッケェになりました。
勉強させてもらいました。
大切なギターをお任せくださり、ありがとうございます。
おわり。
