どうも、るいなと申します。
山梨県の“楽器製作所RMI”にて、ギターを修理したりつくっています。
まあ、いつも変なギターやベースばかりをつくっているわけですが、今回はかわいいので安心してほしい。
はいかわいい。
ひとことで言うと、ちびこいギター。
しかし、それにしては情報量が多いので少しずつ説明します。
目次
コンセプト
まず、この楽器は『MASAToooN!』氏のアイディアから生まれました。
「どこでも持ち運んで演奏できる楽器がほしい」
そんな願いを叶えるために製作を開始。
しかし顔がいいよね。
美少年すぎる。
もうそれだけ覚えてくれれば今日はOKです。
そうは言うても説明しとこ。
小型化
持ち運ぶために、小型化は必須。
縦のサイズはウクレレを目標にした。
リュックやスーツケースに入ればベスト。
縦のサイズは520mm程度。
そして、横幅は350mm程度。
お気に入りの少し大きめのバックに入れて持ち運んでいただきたい。
ピクニックには最適のサイズ。
※専用のケースはご用意しておりません。
8弦仕様
「フレットが少ないなら、弦を増やせばいいじゃない。」
マリーアントワネットにならって、弦を8本に増やした。
通常の8弦ギターから、12フレット以降を切り取った状態と同等以上の音域をもつ。
フレットは少ないが、最も低い音を6弦ギターと同じにすることも可能。
※出荷時の8弦のチューニングは「F#」です。
つまり、原理的には6弦ギターと同じ奏法ができる。
横は小さくなり、縦に伸びた。
そんな解釈でいいと思う。
サウンド
音色は3パターン。
『MASAToooN!』氏の要望は、最小限で応用の利くシンプルな設計。
ピックアップは FISHMAN Fluence Tosin Abasi 8 String Modern Humbucking Pickup 。
アクティブタイプのフロントピックアップを搭載している。
シールドをさしっぱなしにすると、すぐに電池が切れるので注意が必要。
また、背面には大きな空洞があるため、配線の自由度が高い。
ミニスイッチの位置を変更するなど、使ってみて改善点を思いついたのなら、カスタムしてもよい。
では、実際どんな音色がするのか。
『MASAToooN!』氏の演奏を聴いていただきたい。
仕様
刻印
裏蓋に[ 楽器製作所RMI × MASAToooN! ]をいれた。
アクリルの板に、背面から反転して刻印をいれている。
目立ちすぎない。わかるひとにだけわかる。
そんな刻印になったと思う。
ジャック位置
この取り付け方法は、”LeFay Basses”というブランドに多大なる影響を受けている。
オタクポイントが高い。
「ジャックはここにあるの!!」
という、強い意志を感じることができるシルエットのデザイン。
小さいくせに強い意志…かわいい。
ちなみに反対側のとんがりには、ストラップピンを装備。
左右対称に役割があり、気分がいい。
自動車に例えるならFRレイアウト。
前輪に舵、後輪は駆動。
話がそれた。
ネックジョイント
正確にはジョイントしていない。
なぜなら、この楽器はボディとネックは一体型であるから。
中心で張り合わせたアルダー材。
それをボディとネックの位置で区切るように整形している。
つくるのは大変だけど、なんとなくロマンがある。
「ボディとネック、一体型整形。」
声に出して騒ぎたい日本語のひとつ。
アタッチメント
カポタスト
『MASAToooN!』氏が開発に携わった、“柴犬カポタスト”をおすすめしたい。
理由は、このカポタストの幅に合わせてネックの幅を決めたから。
「このカポタストが使えるようにしてほしい」
という要望を受けて製作した。
【Amazon】Phoenix カポタスト 多弦 ギター ワンタッチ カポ 【 柴犬 SHIBA 】
スタンド・フック
『MASAToooN!』くん曰く、これがいいらしい。
インテリアとしてもめちゃくちゃかわいい。
【Amazon】HERCULES ギタースタンド GS301】
これもいいね。
床に置きたい方におすすめ。
他のギターでも使えるし、僕もひとつほしい。
その他
ネック調整
みてほしい。
これがスフィルナの骨格。
ネックの反りを調整するために、トラスロッドが入っている。
ミニギターのため、あまり気にしなくてもよいかもしれないが、念のためウクレレ用のロッドを仕込んだ。
六角レンチで回せば調整できるが、基本的には信頼のできる楽器店にお任せいただきたい。
もちろん、当工房を頼っていただいても構わない。
スフィルナの意味
ハンマーヘッドシャーク。
もうこれにしか見えない。
これも『MASAToooN!』くんの要望から。
・スタンドに引っかかるようにしたい。
・チューナーを付けられるようにしたい。
・カポタストを使わないときに挟みたい。
※上記を満たしつつ、ウクレレと同じ全長(530mm以内)であること。
その条件を満たすために、生まれたデザイン。
結果としてハンマーヘッドシャークの頭ようなヘッドなったというわけ。
一番の難関は全長を530mm以内にすることだった。
完成したスフィルナは520mm程度。
なんとかソプラノウクレレよりも小さいサイズに収めることができた。
やったぜ。
話は戻るけど。
『Sphyrna (スフィルナ)』はシュモクザメ属のことらしい。
このヘッドデザインならきっと、シュモクザメ属に加入できたと思う。
ありがと。
おわりに
今回、このモデルをつくるために協力してくれた某ブランドのMさん。
そして先輩である“GTI”のGoさん。
さっそくご注文をくださったお客様。
なにより、ここまで読んでくれたオタクのみんなにありがとう。
『MASAToooN!』くんのこれからの活動にもご期待ください。
僕も協力をします。
おわり。
Sphyrna(スフィルナ)のご注文はこちら。