どうも、るいなです。
今回お預かりしたのは、オービルバイギブソン。
Orville by Gibson(オービルバイギブソン)とは。
簡単に説明すると、日本製のGibson(ギブソン)。
Epiphone(エピフォン)とGibsonの中間を狙ったギター。
立ち位置としては、ミドルクラスの価格帯。
製造されていた工場はフジゲン・寺田楽器が主であったとのこと。
パーツの供給はギブソンであり、サウンドと価格の釣り合いが取れた、ちょうどよいギターとして愛されていた。
1988年〜1998年前後までの製造であったため、最近はあまり見なくなってしまった。
懐かしいギターのひとつ。

弾きにくく、チューニングが合いにくいとのことで運び込まれました。
診たところ、ネックの反りが主な原因。
具体的にはネックがギターの正面方向に向かって曲がってくる、“順反り”状態。
トラスロッドという部品を回して調整しました。

トラスロッドとは。
ギターやベースのネック内部に仕込まれている金属の棒。
ネックの反りを補正・調整するための役割を担当しています。
弦の張力や湿度の変化による、ネックの反りに適応するために取り付けられます。
トラスロッドを六角レンチで締めたり緩めたりすることで調整が可能です。
具体的には、順反り(ネックが正面側に反ること)や逆反り(ネックが背面側に反ること)に対して、相殺するように回すことで適正な反り具合にセットします。

ネックの調整と一緒に、弦高の調整も行いました。
他には、オクターブ調整と呼ばれる“12フレット”での音程を調整しました。
ブリッジのオクターブ調整ネジを回して、適正な位置まで移動させます。
最後にペグの取り付け部分や、ノブ類の空回りがありましたので、ネジの増し締めを行い完了。
電装系は劣化がありましたが、今回は修理せず様子を見ることにしました。
「ライブで使用できるようにして欲しい」とのことでお任せいただきました。
古いギターも調整や修理をすれば、まだまだ現役で使えます。
オービルバイギブソンは現在は生産されていないブランド。
今まで使われてきた形跡を感じることができて、味わい深い楽器に仕上がっていました。
ギターと一緒に老いていくってのは大変エモーショナルですわ。
おわり。