
るいなです。
多弦ベースの場合、低音にローBが追加されることがほとんど。
しかし、ハイC弦やハイF弦など、高い音程の弦を追加することも可能なのだ。

今回お持ち込みいただきましたのは6弦ベース。
ローB〜ハイCまでの純正チューニングから、レギュラーE〜ハイFへ変更する。
ベースソロや、メロディを弾くのが楽しくなる仕様。
6弦 – E
5弦 – A
4弦 – D
3弦 – G
2弦 – C
1弦 – F
このようにチューニングする。

ナットの交換
弦の太さが変わるため、最初に必要なのがナットの交換。
太いローBの6弦が乗っていた場所に、細いレギュラーEのひとまわり細い弦が乗る。
ナットを交換せず弦を張ってしまった場合、隙間ができてしまうために演奏中に弦が左右に動いて安定しない。

そのため、ハイCやハイFなどの高音弦を追加する場合は専用のナットを作り、交換する。
ローBに戻したくなったときに備えて、純正のナットも割らずに摘出。
慎重に保管し、オーナー様にお渡しするのだ。

新しいナットを切り出した。
素材は純正品と同じであろう、オイルを浸透させた牛骨。
自分でオイルを浸透させたので、ただのナットですら愛着がある。
今回はバインディングの巻かれた指板であるため、左右の端は45度程度に大きく面取り。
指板の溝に入れてみる。

指で片方を押したり、傾けたり。
溝のなかで浮いたり、ズレていないかを確認。
ナットはなるべく指板と密着させたい気持ち。

次に弦を乗せるための溝を切る。
弦と接する面はなるべく円形に!
ここも密着していないとペグとナットの間で意図していない共振をしてしまう。

オクターブ位置の再調整
ここまでくればあと少し。
弦を張って、オクターブ調整。
主に12フレットで行うオクターブ調整は、元々ローB仕様になっていた。
弦の太さが変わるため、ブリッジのサドルもハイF仕様に再調整する。
サドルの位置が適切でないと、開放弦でチューニングしてもフレットを押さえた際には音程がズレてしまう。

耳と脳は音程が合っていなくても聴き続けることで慣れてしまうため、ズレたまま弾いていても違和感がないことも多い。
チューナーで開放弦を合わせたあと、12フレット近辺も弾いてみてほしい。
目的の音程を指していれば問題ない。

堅苦しいことばかり書いてしまった。
しかし、ここまで読めた方ならもう心配はない。
音程が合っている楽器を鳴らしたときの心地よさは、難しいフレーズを弾かなくても楽しいもの。
つい手に取ってしまう楽器の正体ってこれなのかもなあと、自分のギターたちを眺めて思った。
自分のギターもメンテナンスしてあげよ。
おわり。
