エレキギターの世界には数えきれないほどの多種多様なモデルがありますが、その中でも近年海外を筆頭に注目を集めているのが「バリトンギター」です。
通常のエレキギターやアコースティックギターとはまた異なる特徴を持ち、ロック、メタル、ジャズ、アンビエントなど多彩なジャンルで使用されています。
この記事では、バリトンギターとはなにか?という基本から、チューニング、使用アーティスト、オススメモデル、バリトンギターを使った楽曲まで、初心者さんにもわかりやすく詳しく解説します。

目次
バリトンギターとは?
一般的なギターとの違いとは。
バリトンギター(Baritone Guitar)は、通常のギターよりもスケール(弦長)が長く、低いチューニングが可能なギター。
一般的なギターのスケールが24.75インチ(ギブソン系)や25.5インチ(フェンダー系)であるのに対して、バリトンギターは27インチ〜30インチスケールが主流です。
なぜスケールが長いのか?
スケールが長いことで、太い弦を張っても張力が保たれ、低音弦でも音程がわかりやすいクリアな音質が得られます。
そのため、ドロップチューニングやスタンダードB、Aチューニングなど、通常のギターでは難しい低音域を多用した演奏が可能になります。
バリトンギターの用途と魅力
基本的には低音を重要視するジャンルに最適です。
メタル/Djent/スラッジ:ヘヴィなリフやブレイクダウンで圧倒的な迫力あるサウンドを演出。
アンビエント/ポストロック:低域の深みとリバーブによる幻想的な音作りが可能。
ジャズ/ファンク:ウォームでふくよかなトーンが特徴。ベースとギターの中間的な役割もこなせます。
バリトンギターのチューニング例
バリトンギターは、以下のようなチューニングで使用されることが多いです。
B基準(B-E-A-D-F#-B):一般的なバリトンギターのチューニング。
A基準(A-D-G-C-E-A):さらに重厚なサウンドが必要な場合※B基準より全弦1音下げ
ドロップA(A-E-A-D-F#-B):メタルなどで使われるパワーコードを多用するプレイに有利※A基準より、6弦のみ1音下げ
※ギターによって、専用弦(.013〜.068など)を使うと弾き心地が安定するため弦の太さとスケールをご考慮ください。
バリトンギターのおすすめモデル【2025年最新版】
1. SQUIER ( スクワイヤ ) Classic Vibe Baritone Custom Telecaster Laurel

スケール:27インチ
特徴:クラシックなテレキャスターの形状に、バリトンスペックを搭載。クリーンからドライブまで幅広く対応。
バリトンギターの中では、最も安価に購入することができる点も魅力的。
価格:64,970円
2. Gretsch G5260T

スケール:29.75インチ
特徴:グレッチならではのルックスだが、サウンドはベースの音域まで鳴らすことのできるバリトンギター。
クラシカルな見た目で、さまざまな音楽のジャンルに対応できるバリトンギター。
価格帯:187,034円
3. Balaguer Guitars

スケール:27インチ
特徴:フェンダーのジャズマスターのようなボディシェイプ。裏通しのフィクスドブリッジを搭載しており、チューニングの安定感が高い。
メタル系のリフを弾くならこれ。
4. A1.6ATG Baritone-27 MKII

スケール:27インチ
特徴:ドロップチューニング対応の設計で、硬質な音が魅力。フィッシュマン製のアクティブピックアップ搭載でノイズが少なく、ハイゲインアンプと相性がよい。
ハイフレットへの操作性が高く、ギターソロなどのリードプレイも捨てられないメタルギタリストには最適解。
価格:178,000円【特価SALE中】
バリトンギターを愛用している有名アーティスト
John Petrucci(Dream Theater):ソロ作品でバリトンを活用。
Stephen Carpenter(Deftones):7弦やバリトンで独特な音作り。
Robert Smith(The Cure):アンビエント/シューゲイズ系でもバリトン使用。
James Hetfield(Metallica):一部の楽曲でバリトンギターのサウンドを取り入れた。
バリトンギターを使ったバンド
今音楽シーンを賑わせているSleep Token(スリープ・トークン)も、ほとんどの楽曲がバリトンギターによって演奏されています。
Sleep Token
当工房の公式アーティスト率いるDelusionist(デリュージョニスト)も、8弦のバリトンギターを使用しています。
DELUSIONIST
バリトンギターの選び方のポイント
バリトンギターは用途が特化したエレキギターです。
なんでも弾ける万能な楽器ではないため、まずは用途を明確にしましょう。
メタル/ヘヴィロックならアクティブPU搭載モデルでノイズが少なく歪み系アンプとの相性がよいものが人気です。
クリーンサウンド主体ならパッシブPU、セミホロウ構造も視野に入れてもよいでしょう。特にスケール長と弦のテンション感が大切なので、使用する弦もある程度決めてからギター本体を探す方がよいでしょう。
チューニングと弦のバランス
弦は通常より太めを選び、スケールとチューニングのバランスを取ることが大切。
初めての方は、エリクサーの専用セット弦から始めるのがおすすめです。

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バリトンギターはこんな人におすすめ
・ドロップチューニングを多用するギタリスト
・ギターとベースの中間的な役割を探している人
・新しい音楽表現を求めているソロアーティスト
・ローエンドを強化したい作曲家・アレンジャー
まとめ:バリトンギターは表現の幅が広がる
バリトンギターは、通常のギターでは表現しきれない深みのある低音と音域の広さを持ち、あらゆるジャンルで可能性を秘めた未開拓の楽器です。
特に近年は、メタル系のバンドのみならずYouTubeやSNSでのルーパー演奏、宅録アーティストのサウンドメイキングなどでも注目されています。
あなたの音楽に新しい次元を加える「バリトンギター」。
ぜひ一度手に取って、その魅力を体感してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q:バリトンギターは初心者でも扱えますか?
A:弦のテンションが強めなので最初は慣れが必要ですが、基本的な運指は通常のギターと同じです。挑戦してみる価値はあります。
Q:普通のギターアンプで使えますか?
A:はい、使用できます。ただし、低音域が強いため、ベース寄りのEQ調整が必要になることもあります。イコライザーのエフェクターを使うなど、工夫してサウンドメイクを楽しみましょう。
Q:エフェクターとの相性は?
A:ディストーションだけでなく、リバーブ・ディレイ・オクターバーなどと組み合わせるとバリトンギターの特性がより引き立ちます。