今回の楽器はこちら。
『MUSICMAN BONGO 6』
ローステッドバーズアイメイプルをネックに採用した、国内流通が2本くらいの超レアな6弦ベース。
色が“Starry Night”とかいう名前。シルバーから深いブルーのラメ塗装がかっこ良すぎる。
欲しいすぎるベースのひとつ。
いかん、機材紹介してる場合じゃない。
これを見て。
フレットが削れ、凹みが出来ている。
これを今から『フレットすり合わせ』にて綺麗に整えていく。
それでは作業スタート。
まずはマスキングテープで指板の木材を保護。
次に黒いマジックペンでフレットの先端を塗る。理由はのちほどわかる。
そしたらこの金属の塊で削る。これはヤスリ。
【Amazon】両面ダイヤモンド砥石 #400 #1000 204×65×7mm
あ、これ砥石だったんだ。綺麗な平面出てるなあって思って買ったんだよね。
削ると、このように先ほど書いたマジックペンが残る。ここで伏線回収。
あとは、この印が消えるまでフレットを削る。
印が消えた。つまり凹みがなくなったということ。
ここでもう一度マジックペンを使う。
なぜか。
それは削ったことにより、平らになってしまったフレットの頂点を丸めるため。
つまり、“面”を“点”にする作業の下準備。
フレットの頂点を丸くする理由は、押弦した時に弦とフレットの接する部分を“点”に近づけるため。 【補足】 ・接する部分が“点”に近づくことで、本来の楽器の音程を出すことが出来る。 ・接する部分が“点”に近づくことで、弦とフレットの摩擦抵抗が少なくなる。
よし。
印がこのように“線”の状態になればOK。
この線は細ければ細いほどいい。
理由はもちろん弦とフレットの接する部分を“点”に近づけるため。
あとはひたすら磨く。
これは気合い。
おらおら。
磨き終わってマスキングテープを剥がした。
ご覧の通り、指板の汚れが目立つ。
クリーニングしていく。
汚れを削り落として、オイルで保湿。
エボニー指板はいいね、磨き甲斐があるね!
フレットのすり合わせ具合もいい感じ。
ここで安心してはならない。
今回の依頼には続きがある。
以下、持ち主とのやりとり。
というわけで全力を出して全体調整をしていく〜!
それにしても“Periphery – Make Total Destroy”が弾けるくらいの弦高を指定してくるの面白すぎるでしょ。
ペグの増し締めに始まり、ネックジョイント・ピックガード・裏蓋・ブリッジの固定ネジを軽く締め付けてチェック。
いや、それにしてもボンゴのブリッジカッコ良過ぎでしょありえん。
仕上げに弦を張って、全体的に弦高低めに調整をする。
オクターブチューニングは2弦と3弦、4弦が狂っていたので修正した。
あとは大事にハードケースに入れて完了。
あ〜ボンゴほしい。
4弦か6弦のボンゴの売却を考えている方はぜひ一声かけてください。
フレットすり合わせ:12,650円(税込)〜
おまけ
このボンゴ、めちゃくちゃエピソードがあって…
2018年の夏に一緒に買いに行ったんだよね。
実は、持ち主の彼とは専門学校の同級生。
授業でほぼ毎日ライブがあったんだけど、ベース持ってなかったからいつもこのボンゴ借りてた。
あれ、フレット減らしたの僕じゃね。すまん。
あ、最後に最高にかっこいいボンゴみてって。
太古の大昔に撮った写真だけど意外といいな。気に入った。
おわり。
ストラップピンが緩かったことを思い出したので穴を埋めて空け直した。
今度こそおわり。