ギタリストを悩ませる“弦高問題”。
様々な意見があり、結局どうすればいいのかわからなくなってしまう。
今回は少しギターという楽器に慣れ、「ズバリ弦高は何ミリにしたらいいのか」という悩みを持つ中級者に向けてご提案。
ありがたいことに、某楽器店での勤務経験や楽器製作所RMIというものを運営しているため、様々なギターやベースを診てきたつもり。
正解がわからず、こだわりなく全体調整をお願いしている方には是非とも読んでいただきたい。
【1弦1.4mm / 6弦1.8mm】
当工房ではこれを基準としています※12フレット上での計測
その他、多弦ギターも得意としているため追記する。
【7弦2.0mm / 8弦2.2mm】
6弦ギターのセッティングに加え、7弦・8弦をお使いの方はこちらを参考にしてほしい。
2弦から5弦の弦高は“指板R(Radius)”と呼ばれる指板上のカーブの要素も加わってくるため、この場では明記しない。
ちなみに、私は指板20R”(508mmR)のギターの場合はご覧の通りにセットアップ。
これは早弾き専用のセットアップなので基準と比較してもかなり低い数値。
この高さまで弦高を下げることの出来るギターは市販品ではそう多くない。
理想の弦高のひとつ。
弦高調整は12フレットの上に定規を当てて測定する。
弦高は主にブリッジのネジを回して下げることが多く、それはギターを購入した際に付属している工具を使用する。きっと六角レンチで調整するタイプのブリッジがほとんど。
そして気をつけることはサイズの合わない工具は使わないこと。
最悪の場合、空回ってしまいネジ山が潰れる。そうなると修理は困難になる。
新品との交換も検討しなければならないので注意が必要。
ネックの状態や指板ラディアスなど、様々な要因を含む弦高問題。
「正解」とまでは言えませんが、ひとつの基準として覚えていただけましたら幸いです。
・弦の芯線を考慮し、ピックアップのポールピースに合わせた弦高調整。
・弦移動がやりやすいよう、弦の最頂点を基準にした弦高調整。
・弦の振動幅に合わせた、音質重視の弦高調整。
など、それぞれの“理想”があり、突き詰めると沼にはまってしまうのが“弦高調整”。
しかしご安心を。ここまで読んでしまったあなたはもう弦高オタクになる素質があります。
良きオタクであれ。なんだこの締め方は。
おわり。