どうも、るいなです。
え、花火大会、いきました!?
僕は退勤中に渋滞に巻き込まれ、車内でファイナルを見届けました。無念。
あとは毎年お決まりなんだけど、アニメ“電波女と青春男”に影響され、夕方から夜にかけてコンビニと廃墟を徘徊します。夏の夜ってなんかワクワクするじゃん!
いけない。
つい浮かれすぎてしまった。
ところで前回の全体調整編はいかがだっただろうか。
楽器のセットアップについて知りたい方が多いように感じたので今回も調整編。“ネックの反り”についての考え方を公開してみる。
『ネック調整』に困った際、この記事を見返して参考にしてくれれば何より。
この記事はギターの構造から説明するため、読むことで本質的にネックの反りを考えられるようになる。はず。たぶんね。
では早速。
『ネックが反る理由』
ギターという楽器の永遠の悩みであるネックの反り。それは木材が動くために起こる現象※一部樹脂製のネックもあるが、それでも全く動かないわけではない。
「木材が動く?」
そう。ギターは“木”で出来ている。そのため、湿度や温度により伸びたり縮んだりする。
目で見てわかるほどのUの字になったりはしないが、0.1ミリ単位では確実に動いているのだ。
特に、大きくて厚いボディ材とは違い、ネック材はあんなに細い。しかも弦の張力も加わっている。
つまりネックには“常”に大きな力が働いている。
[ネックが形状を維持しようとする力+弦の引っ張る力]
この2つのバランスが保たれることによって快適に演奏ができるのだ。
では、このバランスが崩れたらどうなるのか。
弦の力に負け、表に向かってネック材が反ってくる。つまり指板と弦の距離が離れ、弦高が高くなる。
これが“要調整”の状態。
『反ったネックの調整方法』
そこで、バランスを元に戻すために使われるのが“トラスロッド”。ネック内部に仕込まれたボルトと金属の板を合わせたパーツだ。
これを締め込むことでネック材の裏側(指板が貼られていない側)に力がかかり、強制的に反らせることができる。
つまり、“表に向かおうとする弦の力”に、“裏に向かおうとするトラスロッドの力”を加えて対抗させる。
そこで気をつけ欲しいのが、トラスロッドを締め込みすぎてしまうこと。やりすぎた場合“逆反り”という現象が起こる。
これはトラスロッドが効きすぎて、裏に反らせようとする力が強かったということ。弦がフレットに当たってしまい振動せず、音が鳴らなくなるようだったらトラスロッドの効きすぎを疑おう。
これらのバランスを把握し、適正なネック状態にセットアップすることを『ネック調整』と呼んでいる。
トラスロッドを回す時は弦を少しゆるめ、六角レンチにて少しずつ力を入れよう。そしてどのくらい回しているのかもメモしておくと今後の調整で不安がなくなる。
『まとめ』
【順反り】ネックが弦の力に負けている状態。
【逆反り】トラスロッドが効きすぎている状態。
このバランスを保つことが『ネック調整』ってこと!これさえ覚えて帰ればOK!
ちなみに、楽器製作所RMIでは指定が無ければ、6弦ギターは『わずかに順反り』。
それ以上の多弦ギターは『ストレート』にセットアップしている。
そう、ネックの状態も人それぞれ、そして楽器によってもベストが異なる。
ご自身で研究し、突き詰めても良い。お近くの楽器店、もしくは信頼できるリペアショップに相談しても良い。
これを読んだあなたなら、自分にぴったりのセッティングが見つかるはず。
今年の夏はネック調整にこだわってみてはいかがだろうか。
以上、楽器製作所RMIからの“夏休み自由研究課題”でした。
おわり。