はじめに。
エレキギターに興味を持ち始めたあなたへ!
この記事は、はじめてエレキギターを手にする方のために向けて、基本知識から実践的なアドバイスまで、教科書となるような情報を目指してお届けしています。
エレキギターの世界は広くて奥深いですが、知識と練習方法がわかれば、誰でも楽しく演奏できるようになります。
ぜひ最後までお読みいただき、あなたのギターライフをスタートさせる参考になれば幸いです。

目次
エレキギターの構造
エレキギターは、主に以下のパーツから構成されています:
- ボディ:ギターの本体部分
- ネック:指板があり、フレットが埋め込まれた部分
- ヘッド:チューニングペグがある部分
- ピックアップ:弦の振動を電気信号に変換する装置
- ブリッジ:弦を固定する部分
- コントロールノブ:音量やトーンを調整するつまみ
- セレクタースイッチ:ピックアップを切り替えるスイッチ

代表的なエレキギターの種類
エレキギターには様々な種類がありますが、代表的なものは以下の3つです。
- ストラトキャスター(Stratocaster)タイプ
- 3つのシングルコイルピックアップを備えた万能型
- 明るく切れのあるサウンドが特徴
- ロック、ブルース、ポップスなど幅広いジャンルに対応
- レスポール(Les Paul)タイプ
- 2つのハムバッカーピックアップを搭載
- 太く暖かみのあるサウンドが特徴
- ロック、ハードロック、メタルなどに適している
- テレキャスター(Telecaster)タイプ
- シンプルな構造で2つのシングルコイルピックアップを搭載
- 明るく抜けの良いサウンドが特徴
- カントリー、ロック、ブルースなどに適している
ピックアップの種類と特徴
エレキギターの音色を決める重要な要素がピックアップです:
- シングルコイル:明るく鮮明な音色、ノイズが出やすい特徴がある
- ハムバッカー:太くパワフルな音色、ノイズを打ち消す構造になっている
- P-90:シングルコイルとハムバッカーの中間的な音色
弦の種類と太さ
エレキギターの弦にも様々な種類があります:
- 弦の太さ(ゲージ):009〜042(ライトゲージ)、010〜046(レギュラーゲージ)など
- 材質:ニッケル、ステンレス、コーティング弦など
初心者には、弾きやすさを考慮して軽めのゲージ(009〜042)がおすすめです。
初心者におすすめのエレキギター
初めてギターを購入する際は、以下のポイントを考慮しましょう。
予算の目安
- エントリーモデル:15,000円〜30,000円
- 中級モデル:30,000円〜60,000円
- 上級モデル:60,000円以上
初心者には、2〜3万円台の初心者セット(ギター本体、アンプ、シールド、ピックなど)がコストパフォーマンスに優れています。
おすすめブランドとモデル
- Squier(スクワイヤー)by Fender
- Epiphone(エピフォン)
- Ibanez(アイバニーズ)
- YAMAHA(ヤマハ)
選ぶときのチェックポイント
- ネックの太さと握りやすさ:手の大きさに合ったものを
- 重量:長時間の演奏でも疲れにくいもの
- 音色:好みのジャンルに合った音色かどうか
- フレット処理:触った時に引っかかりがないか確認
- 安定性:チューニングが安定するか
- 外観:デザインやカラーも楽しむ要素として重要
新品と中古の選び方
- 新品のメリット:保証がある、コンディションが良い
- 中古のメリット:コストパフォーマンスが良い、ビンテージ感を楽しめる
中古を選ぶ場合は、ネックの反り、フレットの減り、電気系統に問題がないかなどをしっかりチェックしましょう。
必要な機材と準備
必須アイテム
- ギターアンプ
- 練習用の小型アンプ(10W程度)から始めるのがおすすめ
- クリーントーン、歪み、リバーブなどの基本的なエフェクトが内蔵されているもの
- シールドケーブル
- ギターとアンプを接続するケーブル
- 初心者は3m程度の長さがあれば十分
- ピック
- 薄め(0.5mm前後)と厚め(0.8mm前後)を数枚ずつ
- 様々な素材や厚さを試して自分に合ったものを見つける
- ストラップ
- 立って演奏する際に必要
- 肩への負担が少ない幅広のものがおすすめ
- チューナー
- クリップ式チューナーが便利
- スマホアプリでも可能
あると便利なアイテム
- エフェクター
- マルチエフェクターがあれば様々なサウンドを試せる
- 単体エフェクターなら歪み系が最初におすすめ
- メトロノーム
- リズム感を養うために必須のツール
- スマホアプリやオンラインのものでも可
- ギタースタンド
- 使わない時の保管に便利
- フロアスタンドか壁掛け式があります
- 弦交換ツール
- ペグワインダー
- ニッパー
- クロス
- ハードケースまたはギグバッグ
- 持ち運びや保管に便利
- 湿度管理も意識して
メンテナンスの基本
- 弦の交換
- 初心者は2〜3ヶ月に1回程度
- サビや音の劣化が気になったら交換時期
- フレット・指板のクリーニング
- 弦交換のタイミングで行うと効率的
- 専用のクロスやオイルを使用
- ボディの拭き上げ
- 演奏後は汗や指紋を拭き取る
- 専用のポリッシュを使うとより効果的
- 保管時の注意
- 直射日光や湿度の高い場所は避ける
- 温度変化の少ない場所で保管
基本的な弾き方と姿勢
正しい持ち方と姿勢
- 座って弾く場合
- 背筋を伸ばして座る
- ギターのくびれを右太ももに乗せる(右利きの場合)
- 左手でネックを支え、右手はボディ上部に置く
- 立って弾く場合
- ストラップの長さを調整し、座っている時と同じ位置にギターが来るようにする
- 背筋を伸ばし、リラックスした姿勢を保つ
- 肩や腕に余計な力が入らないように注意
ピッキングの基本
- ピックの持ち方
- 親指と人差し指でピックを軽く挟む
- ピックの先端が1/3〜1/2程度見える状態に
- ダウンピッキング
- 上から下への一方向のストローク
- リズムギターの基本となる奏法
- オルタネイトピッキング
- 上下を交互に弾く奏法
- 速いフレーズを弾く際に必要な技術
- アクセントのつけ方
- 強調したい音はピッキングを強めに
- リズム感を出すために重要な要素
左手のフォーム
- 基本的な指の位置
- 親指はネックの裏側に軽く添える
- 指先でフレットを押さえる
- フレットとフレットの間(できるだけフレットに近い位置)を押さえる
- 力の入れ方
- 必要以上に力を入れないことが重要
- クリアな音が出る最小限の力で押さえる
- ミュートの基本
- 鳴らしたくない弦は指先や手のひらで軽く触れてミュート
- クリーンなプレイのために重要なテクニック
初心者が最初に覚えるべきコード
オープンコード
以下のコードは最初に覚えるべき基本的なオープンコードです:
- Em(イーマイナー)
- 最も簡単なコードの一つ
- 2弦2フレットと3弦2フレットを押さえる
- E(イーメジャー)
- 1弦1フレット、2弦2フレット、3弦2フレットを押さえる
- Am(エーマイナー)
- 2弦1フレット、3弦2フレット、4弦2フレットを押さえる
- A(エーメジャー)
- 2弦2フレット、3弦2フレット、4弦2フレットを押さえる
- Dm(ディーマイナー)
- 1弦1フレット、2弦3フレット、3弦2フレットを押さえる
- D(ディーメジャー)
- 1弦2フレット、2弦3フレット、3弦2フレットを押さえる
- G(ジーメジャー)
- 1弦3フレット、5弦2フレット、6弦3フレットを押さえる
- C(シーメジャー)
- 1弦1フレット、2弦2フレット、5弦3フレットを押さえる
パワーコード
パワーコードは2〜3音からなる簡単なコードで、ロックやパンクで多用されます:
- 基本形
- ルート音+5度の2音構成
- どの弦からでも同じ形で移動可能
- 移動の仕方
- 同じ形を保ったままフレットを移動するだけ
- 例:6弦3フレットのGから5フレットのAへ
- 応用形
- オクターブを加えた3音構成
- より太いサウンドになる
コード進行の基本
初心者が覚えておくと便利な代表的なコード進行:
- 4コード進行(G-D-Em-C)
- 多くのポップスやロックで使われる王道進行
- ブルース進行(A-D-E)
- ブルースの基本となる進行
- 12小節ブルースの簡易版
- ツーファイブワン(Dm-G-C)
- ジャズやフュージョンでよく使われる進行
- より発展的な音楽理論への入り口
効果的な練習方法
初心者の1日の練習メニュー例
- ウォームアップ(5分)
- 簡単なフィンガリング練習
- 両手のストレッチ
- コード練習(15分)
- 新しいコードの練習
- コードチェンジの練習
- リズム練習(10分)
- メトロノームに合わせてストローク練習
- 様々なリズムパターンを試す
- 曲の練習(20分)
- 簡単な曲を通して弾く
- 難しい部分を集中的に練習
- 自由演奏(10分)
- 好きな曲を弾いたり即興演奏を楽しむ
- 練習の成果を実感する時間
効率的な上達のコツ
- 短時間でも毎日続ける
- 毎日15分でも継続する方が、週1回の長時間練習より効果的
- スロースタート
- 新しいフレーズは必ずゆっくりしたテンポから始める
- 正確に弾けるようになってから徐々にスピードアップ
- 部分練習を取り入れる
- 難しい部分を小さく区切って集中的に練習
- マスターしてから全体を通す
- 録音して客観的に聴く
- スマホなどで自分の演奏を録音
- 第三者の視点で問題点を見つける
- 目標設定を明確に
- 「1か月後にこの曲を弾けるようになる」など具体的な目標を設定
- 達成感を味わいながらステップアップ
練習に役立つツール
- タブ譜アプリ
- Ultimate Guitar、Guitar Proなど
- 多くの曲のタブ譜が無料で利用可能
- スローダウンアプリ
- 曲のテンポを落として練習できるアプリ
- Amazing Slow Downer、Anytune Proなど
- 練習記録アプリ
- 練習時間や内容を記録
- モチベーション維持に効果的
- YouTube教材
- 無料で質の高いレッスン動画が多数
- 視覚的に学べるメリットあり
よくある初心者の悩みとその解決法
指が痛い・押さえにくい
原因と対策:
- 指先の皮が柔らかい:継続的な練習で少しずつ硬くなります(タコができるまで)
- 押さえる位置が正しくない:フレットの近くを押さえると少ない力で済みます
- ギターのセットアップが悪い:弦高が高すぎる場合は楽器店で調整してもらいましょう
チューニングが合わない・すぐ狂う
原因と対策:
- 弦が新しい:新しい弦は伸びやすいので、最初は何度もチューニングが必要
- 弦の巻き方が悪い:ペグに適切に巻かれていないとすぐに緩む
- ナットやブリッジの溝が原因:引っかかりがある場合は専門店で調整を
音が濁る・ビビる
原因と対策:
- 押さえる強さが足りない:しっかりと押さえる(ただし必要以上の力は不要)
- 指の位置が悪い:フレットのすぐ横を押さえる
- 他の弦に触れている:弾いていない弦にも注意を払う
- フレット自体の問題:高いフレットで顕著な場合はセットアップが必要
モチベーションが続かない
対策:
- 短期目標を設定:「1週間でこのコードを覚える」など具体的に
- 好きな曲から始める:簡単なアレンジから取り組む
- 仲間を作る:同じ趣味の友人と切磋琢磨
- 発表の場を作る:SNSに演奏動画をアップするなど
上達が実感できない
対策:
- 練習を録音・録画する:1ヶ月前と比較すると成長が分かる
- 具体的な課題に取り組む:漠然と弾くより効果的
- 他者のフィードバック:第三者に聴いてもらう
- 基礎練習を大切に:地味でも基礎練習は必ず成果につながる
上達のためのロードマップ
初心者(0〜3ヶ月)
目標:
- 基本的なオープンコードとパワーコードをマスター
- 簡単なストロークパターンを身につける
- 初めての1曲を完奏する
おすすめの練習内容:
- コードチェンジの練習
- メトロノームに合わせたストローク練習
- 簡単な童謡やポップスの演奏
初級者(3〜6ヶ月)
目標:
- バレーコードの習得
- ペンタトニックスケールの基本形を覚える
- 複雑なリズムパターンの習得
おすすめの練習内容:
- バレーコードを使った曲の練習
- ペンタトニックスケールを使った簡単なソロ
- 8ビート、16ビートの練習
中級者(6ヶ月〜1年)
目標:
- スケールの拡張(メジャースケール、ブルーススケールなど)
- アルペジオの基本
- 簡単なソロの即興演奏
おすすめの練習内容:
- ポジション移動の練習
- 耳コピにチャレンジ
- ジャムトラックに合わせた演奏
上級者への道(3年以上)
目標:
- 様々なジャンルの演奏技術の習得
- 音楽理論の理解を深める
- オリジナル曲の作成
おすすめの練習内容:
- 難易度の高い曲へのチャレンジ
- 様々なテクニック(タッピング、スウィープなど)の習得
- バンド活動やセッションへの参加
おすすめの教材とリソース
初心者向け教則本
- 基礎から丁寧に解説
- CD付きで耳で確認しながら学べる
- ビジュアル重視で分かりやすい
- 初心者が知りたい情報が網羅されている
- 練習方法に焦点を当てた内容
- 効率的な上達を目指せる
オンラインレッスンサイト
- 無料で質の高いレッスンが多数
- 「初心者 エレキギター」などで検索
- 段階的なカリキュラム
- 動画と文章で分かりやすく解説
- 初心者向けから上級者向けまで幅広いレッスン
- 曲ごとの練習方法も充実
アプリ
- ゲーム感覚で学べる
- 即時フィードバックが得られる
- 膨大な量のタブ譜が利用可能
- Pro版はオフライン保存やスロー再生が可能
- 英語表記なので慣れが必要
- 高精度のチューニングアプリ
- コード練習機能も搭載
コミュニティ
- ギター関連のSNSグループ
- Facebook、TwitterなどのSNSグループに参加
- 質問や情報交換ができる
- 楽器店のイベント
- 無料セミナーやワークショップに参加
- 同じ趣味の仲間と出会える機会
- オンラインフォーラム
- 国内外のギターフォーラムで情報収集
- 先輩ギタリストからアドバイスをもらえる
まとめ
エレキギターは、はじめるのは簡単ですが、マスターするには時間と忍耐が必要な楽器です。
しかし、その過程は非常に楽しく、充実したものになるはずです。この記事で紹介した内容を参考に、あなた自身のペースで構いませんので着実に練習を積み重ねてみてください。
大切なのは、「楽しむこと」です。時には難しいフレーズに挑戦したり、新しいテクニックを学んだりすることも重要ですが、常に音楽を楽しむ気持ちを忘れないでほしいです。
あなたのギターライフが実り多きものになることを願っています。ぜひ今日からギターを抱えて、音楽の世界に飛び込んでみましょう!
【このブログについて】
このブログは初心者のエレキギタリストさんのために、教科書のような存在になれるよう作成しています。
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